エルダー2022年4月号
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脳力アップトレーニング!働くための2022.464目標00分【問題の答え】第58回隣り合った数字を足した数が、その上のマスに入ります。空欄に数字を入れましょう。足し算ピラミッド 今回は、記憶しながら計算する、計算しながら記憶する、記憶と作業を一体化して使う課題です。この頭の使い方をワーキングメモリ(作業記憶)といい、認知トレーニングの主役です。メモを使わず、脳のメモ帳だけで解けるまでくり返してください。私たちが新しくものを覚えるとき、脳内では、情報がいったん海馬に束ねられ、前頭葉と連携しながら脳のワーキングメモリとして処理されます。ワーキングメモリとは、忘れないようにいったん書き記しておくメモ帳のようなもので、「作業記憶」とも呼ばれます。その後、その記憶はワーキングメモリから海馬に保存されます。記憶力には「脳のなかで正しくメモを取る力」が必要なため、このワーキングメモリの力を鍛えることは重要です。 また、この力は、年齢とともに低下していくので、普段から意識的に鍛える必要があります。ワーキングメモリは、二重の動作をすることで鍛えられます。例えば、文字を読み上げながら書くこと、人と会って会話(話を聞き理解しながら言葉を発する)をすること、今回の問題のように、二つの数字の足し算に加えて、ピラミッドの完成を考えることなどがよい刺激となります。ストレスを感じない程度に、楽しみながらワーキングメモリを鍛えることが、記憶力を高めることにつながります。多重動作でワーキングメモリを強化する篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。目標5分2343321201852242212692127362461823483260316177342343113296442021852242228612663361592112632712636246181317140832603123296234

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