エルダー2022年5月号
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2022.510チェックの結果、「×」が付された項目で、優先度が高いと判断された場合には、労働災害防止のための各種資料(中災防が提供しているパンフレット)なども利用して環境改善を実施します。実際に現場で働いている高齢労働者の声をひろい、現場の声を対策に活かすことも大切な手段になります。この職場チェックを6カ月から1年ごとに実施し、継続的に職場環境改善のPDCAサイクルを回すことで、安全で快適な職場づくりのレベルアップにつながります。図表2に、「エイジアクション100」の「転倒防止」のカテゴリーにあるチェック番号「通路の段差を解消できない箇所や滑りやすい箇所が残る場合は、表示等により注意喚起を行っている」を一例として紹介します。小さな段差や凹凸で、特に似たような色でつながっている箇所は、つまずきのリスクが高くなるため、段差が見えるように、トラテープを貼るなどして、段差が見えるように環境改善を行いました。まとめ6本稿では、「エイジフレンドリーガイドライン」と「エイジアクション100」を用いた、70歳まで働くための安心・安全な職場づくりについて解説をしました。高齢労働者対策といっても、根底にある考え方については、従来の産業保健活動の考え方と変わるところはありません。高齢労働者の特徴を知ること、個人差に対してきめ細やかに配慮すること、対策を推進するチームが各々の専門性を発揮し連携することで、よりレベルの高い活動をすることができると考えています。図表2 「通路の段差を解消できない箇所や滑りやすい箇所が残る場合は、表示等により注意喚起を行っている」の取組み例※筆者作成段差の例階段など建物の出入口通路上の段差対策の例トラテープなどで見える化注意喚起を行う

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