エルダー2022年5月号
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特集生涯現役時代の安心・安全な職場とは?エルダー17えて、いずれかの機会をとらえてがん検診を受けるように周知をするとともに、禁煙などのがん予防の生活習慣の改善への取組みを進めることも大切です。また、がん検診は無症状の時期の一次スクリーニング検査となりますので、がん検診で所見があった場合は二次検査として、本当にがんがあるかどうかについて、精密検査を受診することがもっとも大切です。多忙であったり、医療機関への受診を躊躇したりして、後日症状が出てから医療機関を受診して進行した状態が判明することもあります。がん検診においては特に所見が指摘され、精密検査の指示がある場合は、医療機関を受診することを先送りしないように、周知し受診を勧奨することが大切です。「体力」は安全につながるポイント3「エイジフレンドリーガイドライン」では、転倒や腰痛などに関連する体力測定を重視しています。転倒災害は特に高齢層に多いため、転倒や腰痛予防などの一例として「転倒等リスク評価セルフチェック票」(図表3)を用いて、リスク評価として体力測定を行います。このセルフチェック票は「身体機能計測」と「身体的特性」質問票から構成されています。「身体機能計測」では五つの体力テストを行います。「①2ステップテスト」は歩行能力・筋力のテストで、なるべく大股で2歩歩き、その歩幅を測定します。これにより、衰えると労災にもつながりやすい下肢の筋力、バランス、柔軟性を総合的にみることができます。「②座位ステッピングテスト」は俊敏性のテストで、椅子に座った状態でできるだけ素早く開閉を行い20秒間計測します。これにより、どのくらい素早く足を動かせるかという下肢の俊敏性がわかります。「③ファンクショナルリーチ」は動的バランスのテストで、立った状態で自ら手を前にどのくらい伸ばせるかをテストします。これにより、転倒リスクを評価します。「④閉眼片足立ち」は静的バランスのテストで、両手を腰にあてて両目を閉じどのくらい立っていられ図表3 転倒等リスク評価セルフチェック票出典:厚生労働省「エイジフレンドリーガイドライン」① 2ステップテスト(歩行能力・筋力)最大2歩幅を計測し身長で割りますあなたの結果はcm/cm(身長)=評価表12345結果/身長~1.241.25 ~1.381.39 ~1.461.47 ~1.651.66~左の評価表に当てはめると➡ 評価⑤ 開眼片足立ち(静的バランス)目を開いて片足でどのくらい立てますかあなたの結果は 秒評価表12345(秒)~1515.1 ~3030.1 ~8484.1 ~120120.1~左の評価表に当てはめると➡ 評価③ ファンクショナルリーチ(動的バランス)水平にどのくらい腕を伸ばせますかあなたの結果は cm評価表12345(cm)~1920~2930~3536~3940~左の評価表に当てはめると➡ 評価② 座位ステッピングテスト(敏捷性)20秒間で何回開閉できますかあなたの結果は 回/ 20秒評価表12345(回)~2425~2829~4344~4748~左の評価表に当てはめると➡ 評価開閉のくり返し④ 閉眼片足立ち(静的バランス)目を閉じて片足でどのくらい立てますかあなたの結果は 秒評価表12345(秒)~77.1 ~1717.1 ~5555.1 ~9090.1~左の評価表に当てはめると➡ 評価片足をあげてから目を閉じる

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