エルダー2022年5月号
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2022.520てみたいと思います。患者調査の概要32017年の「患者調査」(厚生労働省)の概況では年齢階級別にみた受療率が示されています。人口10万人あたりの外来受療率は60歳から64歳で6279人、65歳から69歳では7824人と約1・25倍になっており、入院受療率は60歳から64歳では997人、65歳から69歳では1305人と約1・31倍になっています。一方で、受療率そのものは3年ごとの調査で特に65歳以上で顕著に低下傾向にあります(図表)。同じ年齢であっても健康状態はさまざまになってきており、個別に状況をみることも必要になっています。高齢者=持病が多いというステレオタイプの考え方も少し見直さなければならなくなってきているかもしれません。がんの年齢階級別の疾病罹患率4厚生労働省の「平成30年全国がん登録 罹患数・率 報告」表3-1「年齢階級別罹患率(人口10万対、100歳以上まるめ): 部位別、性別B.上皮内がんを含む」によると、がん罹患率(上皮内がんを含む、注:上皮内がんとはごく早期のがんで小さく切り取って治療が終了することがほとんどのがん)では、人口10万人あたり60歳から64歳では1154・0人ですが、65歳から69歳では1659・7人と1・5倍近く罹患しています。なお、50歳から54歳では543・9人、55歳から59歳では780・6人であることから、いかに高齢になるとがんに罹患しやすくなるか一目瞭然であると思います。労働者には可能なかぎりがん検診を受診してもらい、早期発見・早期治療に結びつけることが重要であるかを示すデータであるといえます。また、単純計算では65歳から69歳では50人に1人ががんに罹患していることになりますの図表 年齢階級別にみた受療率(人口10万対)の年次推移出典:厚生労働省「患者調査」(2017年)【入院】【入院】【外来】【外来】01000昭和5929(年)26232017141185平成2620昭和5929(年)26232017141185平成2622000300040005000(人)200040006000800010000120001400016000(人)注:平成23年は、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県を除いた数値である。65歳以上35~64歳15~34歳0~14歳

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