エルダー2022年5月号
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エルダー27特集生涯現役時代の安心・安全な職場とは?従業員の約6割が60歳以上多くがマンション管理員として活躍大和ライフネクスト株式会社は、1976(昭和51)年に創業し、マンション、ビル・商業施設、ホテルなどの建物管理サービスを手がけてきた。同社の管理する分譲マンション数は、4386棟(27万5140戸)となっている(2021︿令和3﹀年3月31日現在)。現在ではオフィス移転サポートやコールセンター業務といった、法人向けサービスも提供しており、不動産管理業の枠にとどまらない幅広い事業を展開している。従業員数は7888人(2022年3月1日現在)。そのうち60歳以上の高齢従業員が57・8%(4559人)を占めている。従業員の70・9%(5596人)は、マンションの管理員やビルの警備員など同社がサービスを提供する建物に勤務する「フロントスタッフ」と呼ばれる人々である。フロントスタッフは、60歳以上が78・5%(4395人)。そのうち、約4000人がマンション管理員である。マンション管理員は、基本的に正社員として雇用している。未経験での採用がほとんどだが、全国一律でTV会議システムを使用した入社前研修から、現地研修、フォロー研修など独自の充実した研修プログラムで人材を育成し、管理業務の品質向上を図っている。65歳定年後、パート社員は80歳以降も現場で就労可能同社の定年年齢は65歳。2006(平成18)年には、65歳定年後も70歳までマンション管理を行う「フロントマネージャー」として雇用を延長する制度を導入した。評価制度や表彰制度によるモチベーション向上などの取組みも定着しており、当機構の2013年度「高年齢者雇用開発コンテスト※」では、厚生労働大臣表彰最優秀賞を受賞している。2019年には雇用の上限年齢をさらに引き上げて、最高85歳まで就労可能としている。現在の制度は、正社員の定年年齢は65歳で、その後は嘱託社員として75歳まで継続雇用を行っている。嘱託社員と週所定20時間以上のパート社員の雇用上限年齢は75歳で、週所定20時間未満のパート社員の雇用上限年齢は80歳である。さらに、健康条件などの要件を満たせば、「シニアフロントマネージャー」として登録され、85歳まで働くことができる。シニアフロントマネージャーは、フロントマ事例2健診結果のフォローの徹底をはじめ緻密なアプローチにより健康で長く働ける職場に大だい和わライフネクスト株式会社(東京都港区)※  現在の名称は「高年齢者活躍企業コンテスト」

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