エルダー2022年5月号
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2022.530な情報がよく読まれているかのランキングが出ます。マンション管理員は、業務知識など実用的な記事ほど関心を持っていることがわかりました」と話す。また、コロナ禍以降は、スマートフォンの新たな活用も始まっているという。マンション管理員は、近隣の10棟~20棟の管理員で「エリア会」をつくり、コロナ禍以前は定期的に集まり、連絡事項の共有やコミュニケーションの場としていた。横のつながりを持つことで支えあったり、だれかが具合が悪いと聞けば心配する関係が生まれ、心の健康につながったり、復職の励みになったりしていたという。しかしコロナ禍のため、管理員同士が集まる機会をつくれなくなったが、スマートフォンが役に立った。ビデオ通話機能を使って、リモートでエリア会を開く管理員たちが出てきたのである。「そうしたつながりも、管理員が健康で働ける環境づくりに欠かせないものと考えています。この機会を利用し、“つながりを断ち切らない仕組みづくり”を検討しているところです」(五十嵐部長)業務全般のDX化とともに、今後もスマートフォンを活用して業務改善や健康にかかわるような仕組みの構築を考えているそうだ。健康管理システムの導入やアプリで健康を可視化する実験を開始先述した通り、同社では雇用年齢の引上げに取り組んでおり、それにともない採用年齢も徐々に上がっているという。健康経営の推進や長く働ける環境づくりも功を奏し、同社のマンション管理員の平均年齢は2018年度の62・2歳だったのが、2021年度は63・8歳に上がった。こうした傾向をふまえ、今後は健康経営や安全な職場づくりがますます重要になってくる。水澤課長は、「シニア層に対しては、ようやく現状が見えてきた段階です。健康維持を基本にして、現状をよくしていくことに努めていきたい」と抱負を語る。五十嵐部長も「多くの従業員に長く元気に活躍してもらえるよう、会社としてサポートできることをさらに探っていきたい」と続けた。同社では、健康診断やストレスチェック結果、面談内容などを経年管理・一元管理する健康管理システムを導入した。現時点ではまだ試験段階で、従業員のこれからの健康保持増進につながるよう活用を進めていきたいとしている。また、従業員の身体的・精神的健康と業務におけるパフォーマンスを高めていくことを目ざし、スマートフォンのアプリを活用した実証実験も開始しているそうだ。多くの高齢従業員が働く同社の取組みは、生涯現役時代における雇用を考えるうえで今後も注目していきたい。マンション事業本部人材企画部の五十嵐真弓部長(写真提供:大和ライフネクスト株式会社)

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