エルダー2022年6月号
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エルダー27FOOD日本史にみる長寿食食文化史研究家● 永山久夫ニンニクを食べて花咲けるシニアニンニクで養う「健康力」と「長寿力」巷ちまたでは「終活」が話題になっていますが、それ以前に大切なのは「老活」。人生の後半戦を現役力と知恵で楽しむ。定年になっても、再チャレンジはあたり前。自分の得意分野を活かして、新しいビジネスを立ち上げることも可能性大です。そして、大成功して、宇宙旅行に出かける。そこまでいかなくても、都心に高層マンションを購入して、満月の夜には高級ワインを楽しむ。日本のシニアには、そのくらいの実力があるはずです。その実力をフルに発揮して、成功人生を楽しむために必要となるのが「健康力」と「長寿力」。その両方の達成に役立つのが、ニンニクなのです。強烈な臭いと辛味の、あのニンニクが「花咲けるシニア」の登場にたいへんな効果があります。そこで、まず重要になってくるのが、ウイルス感染など疫病にかからないための免疫力を強化することです。男性ホルモンも強化する日本人が古くから疫病予防のために食べてきたのがニンニクで、『本ほん朝ちょう食しょっ鑑かん』という書物に「疫病、伝染病などが流行のとき、各家では、ニンニクを門のうえにかけて、これを防ぐ」とあり、ニンニクを味噌に漬けておいて食べるとよいともあります。スタミナ強化や病気予防などのために、古くから重用されてきたニンニク独特の強力な臭いはアリシンという成分で、ニンニクの多彩なパワーのおおもと。ニンニクは、ウイルスや細菌などに対する免疫をパワーアップさせる食べ物のナンバーワンと評価されており、これもアリシンの作用をいったものです。アリシンは、疲れを取る働きのビタミンB1と結合してアリチアミンに変化し、その効果を高めて吸収をスムーズにしますから、疲労の回復に役立つだけではなく、イライラを鎮め、精神の安定にも寄与します。男性ホルモンのテストステロンは元気シニアには欠かせませんが、ニンニクのアリシンには、そのホルモンを増やす働きがあるのです。さあ、ニンニクを食べて、残りの人生に花を咲かせましょう。ただし効果が大きいため、食べ過ぎは禁物。ほんのひとかけらで十分です。344

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