エルダー2022年6月号
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定年前までの労働条件から変更した内容で提示することは可能です。今回は、定年後の再雇用において、二種類の制度を置くことによって、再雇用後の働き方や労働条件を分けることが可能であるのかという点について、裁判例の紹介とともに検討したいと思います。裁判例の紹介2定年後の再雇用制度として、二種類の制度を採用し、それぞれの再雇用基準を異なる内容としたうえで、労働条件にも差異を設けた定年後の再雇用について1定年後の再雇用制度については、高年齢者雇用安定法に基づき65歳までの継続雇用などが求められています。継続雇用制度として許容されるためには、解雇事由または退職事由に相当する事由がある場合を除き、原則として継続雇用を行うことが求められています。ただし、再雇用契約においては、使用者からの労働条件の変更がまったく許容されていないわけではなく、合理的な裁量の範囲内で、複数の再雇用制度を用意することは可能ですが、いずれかについては高年齢者雇用安定法の継続雇用制度の要件を充足する必要があります。いずれかが要件を充足しているかぎりは、賃金水準や業務内容に差異を設けることも許容されうるでしょう。ただし、大きな変更をともなう場合には労使間の協議を経て、継続雇用制度を構築することが重要です。A定年後の再雇用について、賃金水準などが異なる二つの再雇用制度を用意することは可能でしょうか定年後の再雇用者について、一定の要件を基に賃金水準をある程度維持する再雇用制度と、その要件を充足しない労働者のために賃金水準や業務内容を変更したうえで雇用を維持する再雇用制度を用意しようと考えているのですが、可能でしょうか。Q1第49回 複数の再雇用制度、能力不足による解雇弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。2022.638知っておきたい労働法 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA& 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q

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