エルダー2022年6月号
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2022.656※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します森山智とも彦ひこ、労働政策研究・研修機構 編/労働政策研究・研修機構/2750円JILPT第4期プロジェクト研究シリーズNo・170歳就業時代における高年齢者雇用本シリーズは、(独)労働政策研究・研修機構の第4期中期目標期間に進めてきたプロジェクト研究のなかから、一般でも特に関心が高く重要と思われるテーマを取り上げ、書籍として刊行したもの。その第一弾として、高齢者雇用をめぐる研究成果が選ばれた。今回の研究は、60代前半の継続雇用と60代後半の雇用状況に関する統計分析を実施し、65歳以降の雇用・就業に向けた現状と課題を体系的に明らかにすることを目的としている。とりわけ「高齢者雇用の推進」という社会的要請に対応するため、企業がどのような人事施策を実施し、それが個人の働き方にどのように影響しているかに着目、その成果を収録している。具体的には、企業側の視点(第1章〜第4章)と労働者側の視点(第5章〜第7章)の双方から高齢者の働き方の現状と課題を明らかにするよう努めている。例えば、65歳までの継続雇用体制に関する分析では、60歳前後で仕事内容や責任を見直さない継続雇用制度へ変えていくことが、65歳以降の雇用、就業機会の拡大に寄与する可能性を指摘している。定年を境とした評価・処遇制度の見直しが大切であることが裏づけられたといえるのではないだろうか。65歳以降の雇用・就業に向けた現状と課題を整理宮川淳じゅん哉や 著/総合法令出版/1760円中小企業のための人事評価の教科書制度構築から運用まで長期化するコロナ禍やテクノロジーの進化により、テレワークが急速に普及し定着しつつある。また、人口減少下の日本ではだれもが活躍できる社会の構築が必要といわれ、これまでになかった多様な働き方が出てきている。従来の雇用のあり方、評価のあり方、マネジメントのあり方では通用せず、さまざまな問題が生じているという企業が増えているのではないか。一方で、「人事評価や面談が『作業』になっていて、十分な効果が上がっているとはいえない」など、そもそも人事評価がうまく機能していない中小企業も少なくないようだ。本書は、経営コンサルタントとして150社を超える企業の人事制度の構築・運用にたずさわってきた著者が、「多くの日本企業は見かけのトレンドに振り回されて、何のために人事評価を行うのかという本来の目的に真正面から取り組んでこなかった」と指摘し、コロナ前もコロナ後も変わらないとする人事評価とマネジメントの本質を説き、人事評価制度の活用法を解説。人事評価制度の基本を学びたい人から、問題の解決策を求めている人、テレワークやジョブ型雇用など最近の人事の課題への対応を考えている人まで幅広い層に役立つ内容となっている。本質的な取組みへの理解と実践に役立つ一冊

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