エルダー2022年6月号
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エルダー57ロア・ユナイテッド法律事務所 編、編集代表・岩いわ出で 誠まこと/民事法研究会/3520円山崎広ひろ輝き、西垣康司、土方聡子 著/文、岡部眞まさ明あき 監修/スタンダーズ・プレス/2420円ハローワークは、厚生労働省が全国に設置する公共職業安定所の愛称で、企業と求職者を結びつける機関である。ハローワークは直接足を運んで窓口で相談するイメージが強くあるが、現在は「ハローワークインターネットサービス」を利用することで、わざわざ窓口に行かずとも、オンライン上で求職活動や採用活動を進めることができる。本書は、ハローワークインターネットサービスの活用方法を詳解して、出版社の目標値の2倍以上も売れたという前作『初めてでも採れる! ハローワーク版 すごい求人票』(2019〈平成31〉年2月刊行)の著者が、ハローワークで採用実績を出すためのノウハウを紹介する最新版。2021(令和3)年9月21日にサービスの拡充が図られて、著者いわく「使えるサービスに生まれ変わった」というハローワークインターネットサービスの活用方法や注意点を解説するとともに、「採用の設計図」をつくる際にアシストしてくれるという、著者の山崎広輝氏が開発したツール「ゼロ円求人シート」の使い方を伝授。また、求人票に書いてはいけないNGワードや、求職者が応募したくなる推奨ワードなども最新の実例に則して紹介している。働き方改革が推進されるなか、柔軟な働き方として、副業や兼業を手がける人がじわじわと増えている。従業員にこれらを認めたり、あるいはフリーランスや、フリーランスのなかでもインターネットを通じて仕事を単発で請け負う「ギグワーカー」と呼ばれる人たちと取引きを始めたりした企業もあるだろう。さらに、コロナ禍でのテレワークの急速な普及も重なり、従来とは違った労務管理が必要となっている。本書は、雇用型・自営型テレワークや副業・兼業、独立系フリーランスなどの新しい働き方、労働形態を企業が活用する観点から、最新の法令・裁判例、ガイドラインなどをふまえて、適切な労務管理を行うための実務と必要となる規定例、トラブルが発生した場合の対処法などをQ&A形式で解説。実務のニーズに応える内容であり、企業の人事・労務担当者をはじめ、弁護士、社会保険労務士など幅広い人々に役立つ一冊となっている。テレワーク特有の勤怠管理や情報管理関係だけでなく、テレワークにおける労災の扱い、セクハラ・パワハラや、副業・兼業を認めた場合の健康管理、フリーランスと取引きを行う事業者が遵守すべきことなども取り上げている。ハローワークインターネットサービス活用バイブル初めてでも採れる! ハローワーク版 すごい求人票 最新版テレワーク・フリーランスの労務・業務管理Q&A採用活動のツールを最大限活用するノウハウを紹介新しい働き方や労働形態への対応をわかりやすく解説発刊されるたびにこのコーナーで紹介してきた、「シリーズ ダイバーシティ経営」の第5弾は、ダイバーシティ経営全体を俯ふ瞰かんする、いわば「総論」と位置づけられる内容。第1章「ダイバーシティ経営とは何か」では、ダイバーシティ経営推進と企業の経営戦略との整合性の重要性を取り上げ、第2章「ダイバーシティがもたらす成果とそのメカニズム」では、ダイバーシティ経営がもたらす効果に関する先行研究を紹介。第3章「ダイバーシティ経営に適合的な人事管理システム」、第4章「ダイバーシティ経営の土台としての働き方改革と『境界管理』」、第5章「従業員の自律的なキャリア形成支援」においては、ダイバーシティ経営を定着させるために必要な人事管理システムや働き方の改革、社員のキャリアの自律に焦点をあてている。締めくくりとなる第6章「欧州企業のダイバーシティ経営」では、ダイバーシティ経営と人事管理システムの現状と課題について欧州における事例研究を通じて明らかにしている。ダイバーシティ経営に取り組む企業の人事労務担当者にとって、全社をあげて取り組む意義を容易に理解することができる、最良のテキストだといえるだろう。ダイバーシティ経営に取り組む意義を知るための最良のテキスト佐藤博ひろ樹き、武たけ石いし恵美子責任編集/佐藤博樹、武石恵美子、坂さか爪づめ洋ひろ美み 著/中央経済社/2750円シリーズ ダイバーシティ経営多様な人材のマネジメント

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