エルダー2022年7月号
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あり方〜経営成果に貢献する戦力として保険業B社国内外に多くの拠点を持つ保険業B社は、ダイバーシティ推進の一環として「人事制度」、「職務開発」、「研修」の三つから構成される中高年社員の活躍推進策を展開しています。研修では、①これからのワーク&ライフを考える「ワーク・ライフデザイン研修」、②今後のセカンドキャリアを考える「キャリア開発G50研修」、③「仕事と介護」・「仕事と健康」の両立を目ざして、自身のキャリア開発を考える「両立支援セミナー」、④自己研鑽や研修を通して一人ひとりの強みの発揮を目ざす「能力開発支援」の4施策が行われています。また、同社はこれら施策と連動して、社員のキャリア自律を応援する「ワーク・ライフ応援デスク」を設置して、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する取組みを展開しています。※本誌2020年2月号より、一部修正るキャリア」への転換が予想されます。こうした70歳就業の推進と役職定年の普及により、「くだりのあるキャリア」のもとでの役職定年後の一般社員等としての就業期間を「15年」とすると、市場や技術の変化に対応した現有能力の進化が求められ、それに対応するキャリア支援体制のさらなる拡充が求められることになります(図表2)。高齢社員が企業の経営成果に貢献する戦力として活躍し続けるためには、管理職のときから準備しておくことが必要になります。例えば、役職定年や定年後のキャリアのあり方を考えるキャリア研修をはじめ、定年前に管理職を離れ一般社員等として活躍するために必要な業務スキルや知識の習得・向上です。さらに、継続雇用に切り替わっても若葉さんが働く会社の高齢社員のように職場で活躍するためには、自身の業務スキルや知識を磨いておくことが必要になります。そのため、管理職や高齢社員が業務スキルや知識の習得・向上を図るための研修を受講できる教育訓練体系に見直したり、拡充したりすること、全社員自らキャリア自律をうながし、「学び直し」や「リスキリング」などの新しい知識やスキルを身につけるための自己啓発支援の拡充や、キャリアサポートの整備・拡充が企業に求められます。こうした従業員のキャリアの自律をうながすためのミドル社員の活躍を支援する事例としてB社の取組みを紹介します。この事例の特徴は、人事制度、職務開発、研修の3本柱により中高年社員の活躍の支援を実施している点です。人事制度、職務開発、研修を3本柱に中高年社員の活躍を支援70歳就業時代のキャリア形成と支援の特集新任人事担当者のための高齢者雇用入門図表2 戦略的活用の変化雇用の基本方針役職定年制定年後(役職定年後)の一般社員等の就業期間(注)戦略的活用の取組み19エルダー(注) 定年後(役職定年後)の一般社員等の就業期間は実質65歳定年制を「60歳定年制+65歳までの再雇用」、役職定年制の定年年齢を「55歳」として計算※筆者作成平成期後半令和期実質65歳定年制5年10年(継続雇用)(役職定年+継続雇用)現有能力の活用現有能力の更新70歳就業確保の推進15年(役職定年+継続雇用)現有能力の進化×△○

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