エルダー2022年7月号
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転倒災害につながる要因と対策の3万4928人(全体の構成比26・6%)となっています(図表1)。事故の型別の統計では、「転倒災害」がもっとも多く、次いで「墜落/転落」となっています(図表2)。転倒災害につながる要因として、内的要因と外的要因に分けてみますと、内的要因としては、加齢にともなう心身機能の低下があげられます。もう少し詳しくみますと、バランス能力(例としては、開眼状態での片足立ち、など)や俊敏性(例としては、スクエアステップ※3〔図表3〕)が低下すると、体のふらつきが生じやすくなったり、とっさの危機回避ができなくなったりして、転倒や転落につながります。また、視覚機能(例としては、老眼や明暗反応など)の低下があると、ふらつき感が増幅されたり、段差などを見落としたりすることにつながります。内的要因への対策としては、定期的なセルフチェックと運動プログラムの実施が有効です。「自分は大丈夫」と考え、自身の体力に自信を持つのはよいことですが、実際に体力測定などを実施することにより、自身の体力水準を適切に把握し、気づきをうながし、体力増進に取り組むきっかけをつくりましょう。また、運動プログラムについては、厚生労働省の『アクティブガイド』※4を参考にしたり、地域産業保健センターに相談したりするとよいでしょう。さらに先進的な取組みとして、オリジナルの体操や26図表2 令和2年 事故の型別死傷災害発生割合交通事故(道路)5%交通事故(道路)5%切れ・こすれ6%切れ・こすれ6%図表3 スクエアステップ※3 スクエアステップ……高齢者の転倒予防・要介護化予防・認知機能向上・体力づくりをはじめとし、成人の生活習慣病予防などのためのエクササイズ※4 厚生労働省『アクティブガイド』https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpr1.pdf※厚生労働省「『労働者死傷病報告』による死傷災害発生状況」より筆者作成一辺が25㎝の正方形を並べたマットを利用し、そのマットの上で足ぶみ(ステップ)を行う運動プログラム資料提供:スクエアステップ協会になっています。詳しくはスクエアステップ協会のホームページ(https://square-step.org/)をご覧くださいその他その他19%19%激突5%激突5%はさまれ・はさまれ・巻き込まれ巻き込まれ10%10% 動作の反動・ 動作の反動・無理な動作無理な動作15%15%転倒転倒24%24%墜落・転落墜落・転落16%16%

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