エルダー2022年7月号
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と みです。それまでは長年、郵便ポストの収集業務を行ってきました。「16年前から別の会社で郵便局の収集の仕事をしていました。8年前に事業がヤマヒロ運輸に移ったことで、私を含めて3人が仕事と一緒にこの会社に移りました」(松本さん)しかし2年前、同事業の落札が叶わず、担当していた松本さんをはじめ高齢社員3人の仕事がなくなってしまいました。そこで、この3人の新たな役割として、社内の連絡便を届けたり、事故や故障時のフォローを行う部署が新たに設置されました。松本さんは新しい仕事について、笑顔で次のように話します。「ポストから手紙を収集して郵便局に届ける仕事は365日あり、収集した郵便物は20〜30 kg重く持ち運びがたいへんです。このところは身体的に辛いと思うようになっていました。昨年、仕事がなくなったときに、安原社長に新しい部署をつくるからとすすめられて異動したことで作業の負担が軽くなり、身体が楽になりました。お正月の三が日に休めることも、とても嬉しいですね」また、「車の運転は好きで、何時間でも運転できます」という松本さん。仕事では事故を起こさないための安全運転が大事だと話します。「三つくらい先の信号を見るようにして、前の車の動きを確認し、早い段階で車線変更するなどして対応しています」と話します。「もちろん時間厳守も大事です」と顔を引き締めて強調していました。さらに、松本さんは社長が主催するイベントを楽しみにしており、「この会社はアットホームで本当にいい会社です。今後も働き続けたい」と話してくれました。いつも松本さんに連絡便を頼んでいるという管理本部管理課係長の村上公美さんは、「文句一ついわずに、いつも頼みごとを聞いてくれます。急な届け物を頼めるのかどうか、こちらは心配になるのですが、そのときの仕事の状況と都合がつく時間を教えてくれ、間に合うかどうかを確認してくれます。本当に頼りになる存在です」と話します。最後に高齢者雇用について安原社長に聞くと、「60歳や65歳で会社を退職したものの、『家にいてやることがない』と暇を持て余している人がいない世の中にしたいですよね。トラックの運転ができる高齢者がいれば『当社のトラックに乗ってください』と誘いたい。年金がもらえるまでちゃんと仕事を提供できる会社が増えるとよいと思っています。60歳はまだまだ活躍できる戦力ですし、働いてほしいので、仕事がないならつくっていきます」と力を込めて語ってくれました。今後は、郵便事業の現場で管理職を務めた経験豊富な人物に定年、あるいは役職定年後に入社してもらい、新規事業の立ち上げや若手の教育をになってもらう新しい部署の創出を実現していきたいという夢も話してくれました。最後に、竹本プランナーは、「今後も同社の繁栄と成長に結びつくような人材活用と人事制度の改善に向けて、相談・助言、提案を行っていきたいです」と気持ちを新たに語りました。(取材・西村玲)43エルダー(左から)管理本部管理課係長の村上公美さん、安原信行代表取締役、松本祥孝さん65歳でも元気です。先輩方にはいつまでも元気に

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