エルダー2022年7月号
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退職金の性質Q1退職金の支給に関しては、労働契約または就業規則の規定次第で、退職金請求権が発生するのか、その金額をいかなる方法で決定するのかなどが大きく変わることになるため、条文の記載は慎重に検討する必要があります。また、中小企業退職金共済制度を利用するにあたっては、自社の規定と共済からの支給に矛盾が生じないように配慮することが重要です。退職金制度について、制度を設計するにあたって留意しておくべき事項や、中小企業退職金共済制度の利用にあたって注意すべき点を教えてください。退職金制度を導入するうえでの留意事項について知りたい1日本の企業においては、退職金制度が採用されている企業が少なくありません。退職金については、定年をはじめとする退職後の老後の資金としての側面もあり、税務上も優遇されています。退職金制度自体は、労働基準法などにおいて制度の採用が義務づけられているわけではないため、各社が就業規則、賃金規程または退職金規程などを設けて、支給額の計算方法などを定めるようになっています。一般的には、退職時の基本給に対して支給率(月数)を乗じて計算する計算方法が採用されている場合が多く、支給率が勤続年数に応じて高くなる傾向にあります。また、自己都合退職であるか、会社都合退職であるかによってもその支給率が相違するように設計されていることも多く、自己都合よりも会社都合による退職の方が、支給率が高くなるように設計されていることが多いとされています。また、最近では、主として上場企業において、従業員の退職時に株式報酬を支給するような制度も現れており、バリエーションは広がっています。退職金の性質は、各社ごとに相違することもありますが、一般的には、賃金の後払い的性格があること、功労報奨としての性格があるということを前提に、法的な性格が決定され前述の通り、法律上の義務ではないため、2022.744 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。第50回 退職金制度の位置づけ、公益通報者保護法と懲戒解雇弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲A知っておきたいA&A 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q労働法

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