エルダー2022年7月号
57/68

コンサルタントより職定年者・再雇用者への業務内容。・役職定年者が急増していくなかで次世代アンケート結果からは多くの企業にとって、中高年社員の自律的なリスキル(学び直し)の実現が必要不可欠と考えられているにもかかわらず、教育や学びの場所の整備、今後のキャリア形成に向けた支援については不足や課題があることがうかがえるため、対策が求められる状況といえるでしょう。進め方オンラインの研修サービスなど、自主的な学びのための環境の整備や、研修や学習への参加のための金銭面、業務面のサポート、社内公募や副業、兼業といったキャリアの多様性への準備といった制度面のサポートが考えられますが、あわせて以下の3点について考慮した実施の検討が望ましいと考えます。る経営からのメッセージまずは、今後のキャリアを見つめ直し、リスキルや学び直しを行うことについて、これの管理職候補も少なく、ポスト不足が懸念される。株式会社WorksHumanIntelligenceWHI総研シニアマネージャー伊藤裕之からの企業の持続的成長に不可欠であり、何よりも優先すべき事項であると、経営部門から社内外に発信することが第一です。現業が優先となりがちな管理職や従業員に対して、リスキルや本人の意思を尊重したキャリア選択が妨げられないように原則を示します。キャリアの選択施策の前に中高年人材のいまの仕事を整理して、各人の仕事が会社にどんな価値を生むのか、どんなスキルや経験が必要なのか、そして企業が何を期待しているのかを明確にすべきです。そして、従業員の意識の実態と課題、ギャップを把握したうえで、業務に活かせるリスキルが本人にとってもメリットとなるような仕組みが必要でしょう。具体的には以下のような例があげられます。・これまでの経験、知見やリスキルの成果を活かした、社内外への発信、ナレッジの提供・リスキルした結果を活かすことができる、・リスキルを活かした成果や社内へのナレッと次世代人材のナレッジ(形式知)に転換することを評価し、称賛することは大きなモチベーションにつながるとともに、業務の持続性に貢献するものと考えます。③現場をカバーする制度運用の用意への意思を尊重したことによって、現場の業務や職務に空きが生まれるのであれば、周囲の従業員にとっても業務負荷とネガティブな印象を与えかねません。該当の部門に対して次の異動時期に優先的に配置を行う、リスキルや中高年のキャリア形成にポジティブな影響を与える管理職を昇格や賞与で報いる、という形でメリットを提示し、協力をうながすことが必要となるでしょう。教育施策ではなく、全社的な重要課題として捉え、等級制度、評価、処遇、配置といったさまざまな制度や運用のなかで組み込むことが、具体的な成果への第一歩になると考えます。新たな業務や事業への参画の機会や社内公募、社内/社外副業など、キャリアや働き方に対する選択肢の提示ジ、知見提供に対する評価、処遇の明確化特に、中高年人材の経験(暗黙知)を企業中高年人材のキャリアや、本人の学び直し以上のように、リスキル、学び直しは単なる■ 中高年人材の自律的なリスキルの具体的な① リスキル・学び直しとキャリア形成に対す② 本人のモチベーションを加味した学びや 55エルダー

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る