エルダー2022年8月号
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龍馬の段階的自己改革・ 刀の時代 ・ ピストルの時代 時代の変化を敏感に察知し、それに合わせて自己改革を行ってうまく生きた人物は、やはり坂本龍馬が屈指だろう。かれはそのへんをハッキリ理論化している。生き方を大きく三時代に分けている。できない、と観念し、剣術修業に専念した時代科学が応用された時代これは親友の高杉晋作が教えてくれた。晋作は上海でこのことを知った。上海は有名な国際交流港だった。晋作はここで欧米諸国の武士でなければ何も生きる道具に・ 国際法の時代 生活の科学化を知り、その例として龍馬にピストルを渡した。 「ピストルには刀もかなわないよ」龍馬は納得し、「第二の自己変革」を行う。生きられないのと同じように、世界の国々も一国では生きられなくなった。協同、協働が必要になった。しかし、それにはルールが要る。相談して規約をつくり、これを守るようになる。龍馬もこれに乗った。かれの銅    像が高知県の桂浜にある。無刀で長靴をはき、懐に手を突っこんで何かをにぎっている。人間が一人では2022.830[第117回]

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