エルダー2022年8月号
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1高年齢あ者ま雇り用進安ん定で法のい改な正い(2021年4月1日施行)以後、高齢社員の活躍に向けて企業の関心が高まっています。「定年延長」の議論も引き続き盛んであり、定年延長に合わせて人事制度の大幅な見直しを行う企業もあるようです。しかしながら、スムーズに取組みが進んでいる企業は必ずしも多くありません。筆者の感覚では、「高齢社員の活躍を促進すべきだとは思うが、具体的に何から取り組んだらよいかわからない」という状態の企業が大半であり、経営トップの肝入りでスタートしたプロジェクトが早々に頓挫したり、あるいは無用に長期化している傾向があります。なぜそうなっているのか、その原因は「現状分析ができていないこと」、「高齢社員の活用方針が明確になっていないこと」の二つに分かれます。それぞれの内容について、具体的に見ていくことにしましょう。2まず、現現状状分分析析かからら解始説めしるます。ここでいう現状分析とは、「高齢社員の活躍を推進するうえでの目標と課題を整理すること」と理解してください。という言葉が独り歩きしており、「ゴールはどこなのか(=高齢社員の活躍が成功した状態の定義と具体的な目標設定)」「ゴールに対して、自社の現状をどう評価すべきなのか(=課題設定)」とんどなされていないことが大きな問題としてあげられます。「高齢社員の活躍」という切り口は総論では非常に賛成しやすいものの、「具体的にどうする?」という各論に入った際、取組みの範囲が広く、方向性が漠然としやすい性質を含んでいそもそも、多くの企業で「高齢社員の活躍」という、前提となるべきあたり前の議論がほ企業の高齢社員活躍は高齢社員に期待する活躍のイメージを具体化しよう!1第回制度、仕組みづくり高齢社員活躍支援のポイント36株式会社新経営サービス 人事戦略研究所 マネージングコンサルタント 森中 謙介 「生涯現役時代の高齢社員活躍支援のポイント」と題して、シニア人材が活躍し続けるために必要な制度や仕組みづくりのポイントについて解説する連載をスタートします。第1回は、「高齢社員の活躍とはどういう状態をさすのか? そのイメージを具体化する」というところから始め、徐々に自社に合った制度や仕組みづくりを考える視点やノウハウを展開していきます。新連載生涯現役時代の

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