エルダー2022年8月号
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定年退職後の契約更新についても、労働契約法第19条により雇止めに対する規制が適用されます。嘱託社員となっている労働者であっても、正社員と同視すべき事情があるか、もしくは、更新されることに対する合理的期待が生じている場合には、雇止めによる労働契約の終了が制限されることがあります。Q11改正高年齢者雇用安定法に基づき、使用者に70歳までの就業機会確保が努力義務とされたこともあり、多くの企業においては、定年後の労働者を嘱託社員として雇用するという形態が採用されています。この嘱託社員という制度は、厳密には自社の就業規則次第でその内容は変わるものですが、一般的には、無期労働契約から有期労働契約に変更されるという制度として設計されています。契約法第19条に基づき、雇止めの際には、一定の要件のもと保護されています。具体的には、①当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められる場合や、②当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契ところで、有期労働契約については、労働定年退職後の嘱託社員の契約を更新しない場合、どんな問題がありますか定年退職後も嘱託社員として雇用を継続している従業員がいるのですが、年齢定年後再雇用の法的な性質が70歳に近くなり、業務の負担も大きくなってきている様子です。このたび、契約更新前の業務中に、交通事故を起こしたにもかかわらず、会社への報告がなかったという事態も発覚しています。これらの状況をふまえて、更新をせずに、退職してもらおうと思っているのですが、問題があるでしょうか。 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。第51回 定年退職後の契約更新と合理的期待、退職勧奨とパワーハラスメント2022.840弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲A知っておきたいA&A 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q労働法

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