エルダー2022年8月号
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2021年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」を公表厚生労働省は、2021(令和3)年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表した。2021年における職場での熱中症による死傷者数(死亡・休業4日以上)は561人で、前年(959人)より398人減少した(41%減)。全体の約4割が、建設業と製造業で発生している。入職直後や夏季休暇明けで明らかに暑熱順化(体が暑さに慣れる)が不足しているとみられる事例や、WBGT(暑さ指数)を実測せず、その結果としてWBGT基準値に応じた必要な措置が講じられていなかった事例などがみられている。また、熱中症による死亡者は20人で、前年(22人)より2人減少した。建設業において11人ともっとも多く発生しており、次いで商業3人、製造業2人、農業2人、その他2人となっている。死亡災害の発生状況をみると、5月は1人、7月は7人、8月は12人となっており、年内の死亡者数に占める月別死亡者数の割合は、2020年に比べて7月の発生割合が高く、死傷災害にも同様の傾向がみられた。死亡災害には、「休ませて様子をみていたところ容態が急変した」、「倒れているところを発見された」など、管理が適切になされておらず被災者の救急搬送が遅れた事例が含まれている。年齢階級別の死傷年千人率をみると、65歳以上がもっとも高く0・0137となっており、もっとも低い25〜29歳(0・0047)の約3倍となっている。化学物質による労働災害防止のための新たな規制について〜「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」公布〜不妊治療と仕事との両立を支援するツール3点を改訂厚生労働省は、「不妊治療を受けながら働き続不妊治療の検査や治療を受けたことがある夫婦今回改訂したマニュアルなどは、次の通り。くりのためのマニュアル」企業向けの制度導入マニュアル。企業事例を増加し、具体的で実践的な内容に改訂した。労働者向けに、不妊治療の内容や職場での配慮のポイントを紹介しているハンドブック。治療を受ける労働者が、職場において必要な配慮事項等を企業の担当者に伝えるためのカード。行政・関係団体2022.jou/pamphlet/dl/30kpdfou/pamphlet/dl/30ou/pamphlet/dl/30bpdfl.pdf.j.j.jp/bunya/koyoukintp/bunya/koyoukintp/bunya/koyoukint● 本改正についての詳細、または主なポイントは、https://wwwmhwgo厚生労働省は、化学物質による労働災害を防止するため、労働安全衛生規則等の一部を改正した。国内で、使用されている化学物質、そのなかには、危険性や有害性が不明な物質が多く含まれる。さらに、化学物質による休業4日以上の労働災害(がん等の遅発性疾病を除く)のうち、特定化学物質障害予防規則等の特別規則の規制の対象外物質を起因とするものが約8割を占めている。本改正では、従来、特別規則による規制の対象外であった物質への対策の強化を主眼とし、国によるばく露の上限となる基準等の策定、危険性・有害性に関する情報の伝達の仕組みの整備・拡充を前提として、事業者が、危険性・有害性の情報に基づくリスクアセスメントの結果に基づき、国の定める基準等の範囲内で、ばく露防止のために講ずべき措置を適切に実施する制度を導入するもの。その他、化学物質管理者の選任による管理体制の強化などが図られている。厚生労働省では、今後、円滑な移行に向けた周知の徹底や啓発活動に取り組むことで、化学物質による労働災害の防止を一層推進していくとしている。●施行日公布日(一部2023〈令和5〉年4月1日または2024年4月1日施行)左記のURLへp/stf/newpage_25984htm● 「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づhttps://wwwmhwgohttps://wwwmhwgohttps://wwwmhwgoけられる職場づくりのためのマニュアル」と「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」(いずれも2019〈令和元〉年度作成)の改訂と、不妊治療を行う労働者と主治医と企業とをつなぐ「不妊治療連絡カード」(2017〈平成29〉年度作成)の様式見直しを行った。は5・5組に1組と増加傾向にあり、2022年4月1日から不妊治療に対する公的保険の適用範囲が拡大された。仕事との両立を希望する労働者は、さらに増加することが見込まれている。●「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」●「不妊治療連絡カード」厚生労働省厚生労働省厚生労働省2022.858ニュース ファイルEWSILEl...l.l...l..l...8

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