エルダー2022年9月号
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ご覧ください。ji.lういmuraabcom/post/233※映画「マイ・インターン」に関する筆者ブログは以下のURLをhttps://fu主人公のベン・ウィタッカー(ロバート・デ・ニーロ)は70歳、いわゆる悠々自適の生活をする高齢社員という設定です。何事にも積極的に取り組んでいるベンですが、3年半前に連れ合いに先立たれ、何をしても心にポッカリ空いた穴を埋めることができないでいました。そんなとき、近所のスーパーマーケットで「高齢社員インターン募集」のチラシを見つけます。女性用の衣服をインターネット経由で販売する会社が65歳以上の高齢社員をインターンとして採用するというのです。1年半前に一人の主婦(アン・ハサウェイ)が立ち上げた会社が220人を雇用する会社に成長し、社会貢献として高齢社員の雇用を考えました。彼は、さっそく応募することを決め、見事に採用されます。筆者は、この映画から、高齢期に活躍するために必要な6項目を導き出しました。①新しいことに挑戦し続けること②頼まれたことは何でも引き受けること③自ら仕事を見つけて動くこと④昔の話は聞かれないかぎりしないこと⑤自分のスタイルを大切にすること⑥身ぎれいにしていることその内容については筆者のブログ※を見ていただくとして、本稿のテーマとの関係で主人公のベンがとても興味深い行動を取っている点をご紹介します。ある若手社員が社長秘書とつき合い始めるのですが、あることがきっかけで不仲になってしまいます。そのとき、若手社員がベンに助けを求めます。ベンの助言は「大切なことは直接伝えなければダメだ。メールを何通送っても気持ちは伝わらない」というものでした。若者の多くは、メールを送っておけばいいたいことは伝わると考えていますが、メールでは不十分な場合があります。本当の気持ちを伝えるには直接会わなければならないというベンの助言を実行し、その若手社員は社長秘書と再びつき合うことができるようになりました。もう一つ、印象深いシーンがありました。有名人の自宅に服を届けることになった若手社員が、どういう服装をしていけばよいかベンに助言を求めます。カジュアルな文化を大切にしている会社なので、ほとんどの従業員はTシャツにジーンズで働いています。「あらたまった感じで相手に好印象を与えるには、襟のついたシャツを着ていくといい」と助言します。その若手社員は、製品サンプルのなかから襟つきのシャツを選び出し、ベンに「これでいいか」とたずねます。若者に助言する際に大切なことは、相手のいい分に耳を傾けることです。まずは何をいいたいのか、何が問題なのかをしっかり聴いて受けとめます。そのうえで、決めつけることなく一緒に考えることが大切です。ベンは、まさにそれを実行していました。に「こうすればいいんだ」といってしまう人がいます。それでは、若者の心に響きません。各人が抱えている悩みや課題はさまざまです。原因は一つではなく、複雑に絡みあっている場合があります。しっかり聴くことで何が本当の原因なのか、解決の障害になっていることは何かを突きとめ、それに対してどういう対処をすればよいのか、相談者と対話しながら考えていくのです。「そんなのもどかしい」と思われるかもしれませんが、ものごとの本質に自分で気づかなければ、解決の行動につながりません。かせるかどうかは、その人がどれだけ謙虚になれるかにかかっています。過去の経験に拘こ泥ですることなく、時代の変化に合わせて変えるべきところは変える、捨てるべきものは捨てることによって、高齢社員の本当の価値が出てくると思います。高齢社員のなかには自分の経験をもとにすぐ高齢社員が持っている豊富な知識・経験を活10

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