エルダー2022年9月号
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若手から70歳以上の高齢社員まで機器組立業で多世代が活躍株式会社光真製作所は、配線と板金仕上げ加工の会社として1981(昭和56)年に創業。高い技術力を武器に、現在は大手電機メーカーや計量器メーカーが取引先に名を連ねており、鉄道駅に設置されている自動券売機や自動改札機をはじめ、銀行のATM、食品メーカーの包装機など、さまざまな機器の組立てを行っている。海外ではフィリピンに工場を持つ。社員数は79人。男性が43人、女性が36人で男女比はほぼ半々で、平均年齢は52歳(2022〈令和4〉年7月時点)。定年は60歳、希望者全員を70歳まで再雇用しており、70歳以降も運用により継続雇用している。現在、60〜69歳が独自の技能認定制度を設け ■■  ■■株式会社光■真■製作所(滋賀県草津市)ねじ回しの基礎からものづくりの心構えまで若手に伝承し、技術力を伸ばす役割をになう業務にあたっている。なお、最高齢者は79歳(2人在籍)となっている。高齢社員が約4割を占めていることから、再雇用制度の見直しを進めていたが、コロナ禍にあり一時中断しているという。現在、60歳定年以降の再雇用社員は時間給で働いているが、これを固定給に変更し、より長く安心して働ける制度の構築を目ざしている。それに向けて、すでに再雇用となっている高齢社員との整合性をいかに図るかが課題となっているそうだ。指導用のトレーニングルームを設置同社で取り扱っている機器は多品種少量生産が基本。そのため、流れ作業のようにコンベアから流れてくるパーツや部品を担当する箇所に取りつけ、次の工程の担当に回すようなライン生産による対応がむずかしく、ほとんどの製品の組立てを社員の手作業で行っている。製品ごとに組立て方法が異なるのはもちろん、顧客が求める技術的基準を満たさなくてはならず、社員一人ひとりに高度な技術が求められ、新入社員は習得すべきことが多い。継承に特に力を入れている。指導にあたるのは同社で長年活躍してきたベテラン社員たちだ。取締役製造部部長の池■田■篤■史■さんは、「特に当社の製造における良し悪しの判断基準を教えてほしい」と、ベテラン社員による指導に期待を寄せている。社員やパート社員への指導は、日ごろから現場で行われるOJTのほか、技能認定の取得を目的とした年間の教育計画に沿って行われていそこで同社では、ベテラン社員による技能の同社では独自の認定制度を設けており、若手特集活かしてますか? 高齢社員の能力・経験11エルダー19人、70歳以上が13人おり、32人の高齢社員が企業事例 1

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