エルダー2022年9月号
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金属の塗装加工などを行う企業で多様な人材が活躍協伸静塗株式会社は、1980(昭和55)年の創業以来、金属製品の塗装、表面処理の技術を磨き続けて、幅広い種類の金属(アルミをはじめ、鉄、ステンレス、亜鉛、マグネシウムなど)製品の皮膜処理や塗装加工を手がける企業として発展してきた。1個から数万個の大量ロットにも、小ロット・多品種にも、短納期で柔軟に対応できる生産力を持っている。また、塗料や塗装機器、薬剤などの各メーカーとのネットワークを駆使し、塗装や金属表面処理に関するさまざまな困りごとに対応できる技術とノウハウを蓄積している。これらが強みとなり、現在は富山県内を中心とする多様な分野の企業(建材、自動車、建機、医療機器など)か■■協■伸■静■塗■株式会社(富山県高岡市)技術や経験豊かな高齢社員が障害のある人や若手社員をサポートら信頼され、受注を得ている。また、高岡市を流れる小お矢や部べ川沿いに建つ工場では、環境汚染物質を外部に漏らさない排水処理装置を完備するとともに、2006(平成いる環境基準「RoHS指令※」に対応したクロムフリー対応型化学皮膜処理浸漬ラインを完備するなど、地球環境に配慮した生産体制を整えて事業を展開している。同社は以前から、高齢者、障害者、女性など多様な人材が活躍する職場づくりに取り組んでおり、技術や経験のある高齢社員が、障害のある人や若手社員をサポートしている。社員数は32人で、平均年齢は41・5歳(2022︿令和4﹀年7月現在)。工場では、前処理(皮膜処理)から塗装、出荷までの流れを一元化し、現場の仕事は、前処理や塗装を行う「製造」(22人)、「検査」(8人)、「配送」(1人)、「管理」(1人)に大きく分かれている。(87・5%)と多数を占め、60~64歳が1人、る。品をハンガーに掛ける作業に従事し、勤続年数は16年になる。援事業所(A型・B型)の施設外就労者がおり、現在合わせて17人の障害のある人が同社の仕事に従事している。「施設外就労」とは、一般企業の業務のなかで、障害者の従事できる作業について、企業と就労継続支援事業所が請負契約を結び、同事業所の支援員と障害のある人が、企業でその業務を行うことである。社員の年齢構成をみると、59歳以下が28人社員のうち1人が障害者で、塗装ラインで部ほかに、障害のある人が入所する就労継続支       ■■特集活かしてますか? 高齢社員の能力・経験※RoHS指令……EUで制定された電気・電子機器などの特定有害物質の使用制限に関する法律19エルダー18)年7月よりEU(欧州連合)で施行されて65~69歳が2人、70歳以上が1人となってい企業事例 3

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