エルダー2022年9月号
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斜は交かい※を入れて強度を確保し、ぶつけやすい す   ◆‌社員それぞれの生活スタイルに対応できるよ◆‌高齢者や障害者が働きやすいということは、齢社員については、3カ月ごとに行う面談のなかで個別にヒアリングを行っている。安全面では、重量物の運搬や取扱いを高齢社員にはなるべく免除し、やむを得ない場合は必ず2人以上で運ぶことを徹底。健康面では、熱中症などの身体負荷を低減するため、工場自体の設計が換気・排熱構造に優れていることに加え、強力な排気能力を持つ有圧換気扇を新設するとともに、各作業場には、スポットクーラーや扇風機を増設している。このほか、吊り台車の脚部の改良(塗装前製品の吊り台車の脚部にすねをぶつけたり、転倒してしまうことがあったことから、台車上部に脚部を切断)や、高圧洗浄機の移動を楽にする工夫(高圧洗浄機はキャスターつきだが約と重く、移動に苦労していたが、5㎝程度の床の段差をスロープにした)などを行っている。こうした取組みの結果、主に次のような効果が実感されている。うな、柔軟な働き方ができる仕組みを整備することで、健康であれば働き続けられる職場になった。ほかの社員にとっても働きやすく安全な職場◆‌高齢者、障害者、外国人(技能実習生)が同である。小さな要望を聞き、それに応えることで、みんなが働きやすい環境が整えられている。じ職場で、同じように作業することで、より活気のある職場となった。また、ベテランの目、経験からくる「勘」や「ひらめき」が、現場の効率化、若手の育成、障害のある人の見守りに寄与している。同社の社員や施設外就労者からは、次のような声が寄せられている。 「まだ気持ちはヤングマン。健康であるかぎり頑張りたい」(高齢社員)、「できるかぎり、現場で働く若手や障害のある社員を応援していきたい」(高齢社員)、「まだまだやれるというところをみてほしい」(高齢社員)、「みなさんが優しくしてくれる」(障害のある社員)、「協伸さんの仕事が好きです。毎日来たいです」(施設外就労者)。「当社の仕事の多くは、単調な軽作業ですが、機械にはできないもので、それを多様な人材がになっています。それらの仕事が確実に行われているからこそ、新製品の開発や新たな仕事の準備ができるわけです。人材の多様性によって、会社の土台が強固になったと実感しています。武田信玄の言葉を借りれば、“城の石垣”と同じです。いろいろな人の力があってバランスの取れた石垣ができ、強い土台となります。高齢者も障害のある人も、すべての人が当社には大事な人材です」(加藤社長)応えてくれているか、そのことを高齢社員に伝えることが重要です。そのためには、高齢社員も障害のある社員も当社にとって必要な存在であることを、経営者が常に心から感じていることが必要ではないでしょうか」と、高齢者のサポート力を活かすためのポイントを語ってくれた。最後に加藤社長は、「どれだけ会社の期待に※斜交い……斜めに入れる補強材のこと小矢部川沿いに立地する工場 (写真提供:協伸静塗株式会社)2270‌kg

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