エルダー2022年9月号
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このコーナーでは、都道府県ごとに、当機構の65歳超雇用推進プランナー(以下「プランナー」)の協力を得て、高齢者雇用に理解のある経営者や人事・労務担当者、そして活き活きと働く高齢者本人の声を紹介します。第123回奈良県詣■道■」の三つの世界遺産をはじめ、歴史上重要な■■■★奈良県は、近畿地方のほぼ中央に位置する内陸県です。県の中央を東西に流れる吉野川を境に、北部は盆地、南部は吉野山地で構成されています。歴史文化を誇る同県には「法隆寺地域の仏教建造物」、「古都奈良の文化財」、「紀伊山地の霊場と参■神社仏閣や史跡などの文化遺産が数多くあります。当機構の奈良支部高齢・障害者業務課の竹内一郎課長は、県の産業について次のように説明します。「奈良県の県内総生産は約3兆8000億円(2018〈平成30〉年)です。地場産業は、靴下・ニットなどの繊維、木材、プラスチック成型、毛皮革製品、スポーツ用品などがあります。企業は全体的に人材採用に苦慮され、従業員の高齢化も進み、一段と高齢者活用の認識が高まっています。しかし、多くの企業は高齢者活用の課題として〝個人差〟をあげています。加齢による健康面や体力面のほか、意欲などにおいて個人差がみられ、この違いを高齢者活用における特性と認めながらも、高齢者のモチベーション維持を含め、どのように改善・戦力化していけばよいかという相談が増えています」同支部の取組みについては、「企業の立場に立ち、実情に寄り添った相談・援助ができるよう、企業診断システム『雇用力評価ツール※』の活用を積極的に進めています。ツールを通して、その企業における高齢者雇用の現状と課題を可視化し、わかりやすい診断結果の説明に努めるとともに、より具体的な改善の方向性・取り組み方などを示しながら、定年引上げなどの制度改善提案を行っています」と話します。同支部では、社会保険労務士、中小企業診断士※雇用力評価ツール……企業が高齢者を活躍させる力(高齢者雇用力)について、先進企業と比較しながら、自社の高齢者雇用力の強みと弱みを把握し、高齢者が能力を発揮しやすい体制をつくるための手がかりを提供するツール本社社屋▶創業 1916(大正5)年▶業種  竹編針の製造▶社員数  33人(うち正社員数10人)2022.932企業プロフィール(60歳以上男女内訳) 男性(5人)、女性(1人)(年齢内訳) 60〜64歳 1人 (3%)3人 (9%)65〜69歳 1人 (3%)70〜79歳 80歳以上 1人 (3%)▶定年・継続雇用制度定年は60歳。希望者全員を65歳まで継続雇用。最高年齢者は80歳70代の営業部員が新事業を開拓80代の総務部員は制度を整備奈良県生駒市近畿編あみ針ばり株式会社(奈良県生い駒こま市)

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