エルダー2022年9月号
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■■経験と実力のある高齢者を採用し、業務を任せるアンテナを張り、自力で働き方改革を推進する積極的に取り組んできました。その取組みが評価され、2019(令和元)年8月に、奈良県「社員・シャイン職場づくり推進企業」に認定され、2020年1月に、「第4回協会けんぽ職場まるごと健康チャレンジ」にて金賞を受賞しています。同社の定年年齢は60歳、希望者全員を65歳まで継続雇用し、さらに本人との話し合いのうえ、健康状態が良好で職務遂行能力に支障がない場合は、年齢の上限なく働くことが可能です。高齢者を積極的に採用し、大きな仕事も任せている尾■山■恭■子■代表取締役は、高齢社員に対する考えを次のように話します。「海外事業に舵を切ると決めて動き出そうとしたときに、大手機械メーカーが早期退職者を募っているという話を聞き、ベテラン人材を紹介してもらったのです。そこで採用した高齢人材の力もあり海外の市場を開拓することができました。もともと当社は社員の年齢にこだわらない社風があります。高齢社員のみなさんは仕事の質が高いのはもちろん、人間性もすばらしく、良識も経験もあって、業務を安心して任せることができます。これからも、それぞれの持ち味を活かして活躍してくれることを期待しています」・ 65歳超雇用推進助成金の「高年齢者無期雇用転・ 勤続3年以上の社員を対象に特殊な生活習慣病魚■住■光■正■さん(80歳)は、14年前の66歳のとき■■■■■高齢社員の能力を活かし活躍をうながしている同社の取組みを高く評価する北場プランナーは、さらなる取組みの推進に向け、65歳定年・希望者全員70歳までの継続雇用制度の導入を提案しているそうです。今回は、70代、80代にして溢れるパワーで同社を牽引する2人の方にお話をうかがいました。に入社し、総務経理部に所属しています。スポーツ用品メーカーを定年後、大学の学生課に事務職として勤務、退職後、ハローワークを通して近畿編針に入社しました。仕事のモットーは「アンテナを張ってなんでもやること」。80代とは思えない情報感度の高さで、奈良県地域産業振興センターや奈良県よろず支援拠点、さらに奈良県の専門家派遣制度などと連携して会社の基盤整備を積極的に構築し、人事面の改革をどんどん進め、社員が働きやすい環境づくりに尽力してきました。その人事面の取組みを紹介します。換コース」を活用し、50歳以上の有期雇用者に対する無期転換制度を導入した。・ 55歳以上の社員を対象に、人間ドックの費用を・ 家族の介護を理由に退職した人が数人いたこと・ 1時間から時間単位で有給休暇が取得できるよ・ 社員が在宅(テレワーク)で仕事ができるようなどの治療費を補助する医療保険に加入。会社負担で病気を補償することで社員は安心して働けるようになった。会社が半額補助する制度を導入した。をきっかけに、独自の介護休暇制度を整備。「介護をする人は今後、増えていくはずです。会社でバックアップしていきたい」(魚住さん)うに制度改定。小さな子どもがいるパートタイマーたちが、保育園や学校行事の際に活用している。毎日多数届くメールをチェックする魚住光正さん2022.934

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