エルダー2022年9月号
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も増えてきています。人事制度上の主要な論点は図表4の通りです。なお、高齢社員の多様な働き方については、次回(第3回)に詳細な解説を行います。企業ごとの高齢社員活用方針によって対応が変わります。定年延長=人事制度接続型だけではなく、人事制度非接続型での定年延長のケースも十分にありえます(定年年齢は伸ばすが、期待役割は60歳時点で切り替え、高齢社員の意識も60歳以後の期待役割に合わせて変えていきたいと考える企業がある)。これはどちらが正解/不正解というものではなく、あくまで各企業の実態に沿っていること、高齢社員の活用方針に沿っていることが重要です(図表5)。組む場合で、単に60歳以後の仕組みだけを変更するのではなく、会社全体で人事制度を変更していく必要性が高い場合があります。大幅に減額していた企業が、定年延長を実施するにあたって減額していた賃金を定年前の水準に戻すことを検討するとします。このとき、賃金アップの対象となる社員数、また今後新たにさて、定年延長の決定にあたって検討すべき図表4のテーマを主要論点として、実際にはまた、人事制度接続型による定年延長に取り例えば、定年再雇用制度で60歳以後の賃金を図表2 コース別定年再雇用制度のイメージと、定年再雇用者に求める期待役割の例図表3 定年再雇用者に求める期待役割の例(人事評価基準としても活用)① 課長クラスの育成を行う② 部長クラスの補佐を行う③ 下位者に対し、実務およびマインド面を指導する④ 自社を取り巻く経営環境・情報に気を配り、その内容を見据えたうえで適切な指導を行う⑤ 部門レベルの改善提案を行う① 非管理職の育成をする② 課長クラスの補佐を行う③ 下位者に対し、実務およびマインド面を指導する④ 自社を取り巻く経営環境・情報に気を配り、その内容を見据えたうえで適切な指導を行う⑤ 課レベルの改善提案を行う① 新しい案件や非定常の案件にも、専門分野を通じて、適切な判断を行い、対処する② 適切に意思疎通を行い、部門に大きく貢献する③ 高度で幅広い専門知識と、競争力あるスキルを発揮する④ 他部署関係者とも積極的にやり取りし、必要な情報を収集して業務を行う⑤ 顧客のニーズ・満足を意識した提案を行い、標準以上の成果をあげる⑥ 担当業務および課メンバーの業務改善により、業務の効率化に努める① 担当分野の業務をスケジュール通り一人で行う② 適切に報告・連絡・相談を行うとともに、相手に対して自分の考えを上手に伝える③ 担当する業務のなかで発生するであろう問題について正しく予測する④ 顧客のニーズ・満足を意識した提案を行う⑤ 担当業務の業務改善により、業務の効率化に努める6級5級4級3級再雇用フルタイム勤務で再雇用管理者として再雇用(+高度専門職)パート勤務で再雇用管理職(役職者)として残る場合は、通常フルタイム勤務よりも処遇面を高めに設定する。過去の人事評価で標準以上、もしくは特別な技能や技術を持っている者が対象となる。再雇用基準はクリアしたものの、過去の人事評価が標準を下回る者については、短時間勤務で再雇用する。※株式会社新経営サービス人事戦略研究所作成資料※株式会社新経営サービス人事戦略研究所作成資料4060歳を迎えていく50代後半の社員数を考慮し

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