エルダー2022年9月号
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シフト制としての合意内容が明確かどうかによりますが、具体的なシフト日数や時間数が合意されていないのであれば、過去の実績よりも削減させることは可能と考えられます。ただし、極端な削減を行うことは違法となる場合があります。シフト制と使用者の裁量の範囲感覚、高い識見が期待される)ということが明記されていたこと、などがあげられます。執行役員規程を設けていれば大丈夫という1労働法においては、いわゆるパートタイム労働者(以下、パート社員)に関しては、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」に定められています。パート社員や契約社員と正社員の同一労働同一賃金について定めているのもこの法律になります(同法第8条および第9条)。わけではなく、その内容も含めて自社が想定している効果を生じさせることができるか見直しておくことをおすすめします。この法律がいうところの、「短時間労働者」(パート社員)とは、「一週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い労働者」をいいますので、一般的には、正社員よりも時間が少しでも短ければ短時間労働者に該当します。シフト制が採用されており、正社員よりも労働時間が短いパート社員のときは、シフト制が採用されている場合でも短時間労働者として同法の保護を受けることができます。する旨定めること自体は、採用時に使用者と労働者の意向が合致するかぎりは有効です。労働者としては、一定の曜日や時間をあらかじめ約束はできなくとも、一週間のうちある程度の時間を労働に費やすことができる場合には、その時間を組み合わせて働くことができる一方で、使用者としても、シフト制の労働者を多数雇用して組み合わせることによって事業を運営することが可能となります。2コ働者を完全に休ませる場合についてはともかく、営業時間を限定的に行う場合などには、シフトの削減などをともなうことが多かったと思います。シフト制の労働者の人数に比して、業務量が減少してしまった場合には、使用者としては、労働者を減員するかシフトを減少させるか、いずれかを選択する必要に迫られる場合があります。このような場合に、シフトを削減することは可能なのでしょうか。紹介する裁判例は、介護事業と放課後等デイサービス事業を営む会社において、シフト制で採用されていた労働者からの、「これまでの実績からすれば、週3日以上、1日の労労働条件において、労働時間をシフト制とロナ禍において、休業などにともない労Q2パート社員とシフト制についてシフト制のパート社員がいるのですが、コロナ禍の影響もあり、シフトあたりの人数を減員しています。従前は、週5日の6時間勤務でシフトに入っていたパート社員もいるのですが、週3日程度に削減させようと思っています。労働条件通知書や契約書にはシフト制である旨のみ定めており、最低減のシフト日数などは定めていないのですが、問題ないでしょうか。シフト制のパート社員の勤務日数を減らすことは法的に許されるのか2022.944A

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