エルダー2022年9月号
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主任研究員 池■田■心■豪■独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)では、日本の産業構造と人口構造の変化に対応した雇用システムのあり方に関する研究をまとめた報告書『変わる雇用社会とその活力―産業構造と人口構造に対応した働き方の課題―』を今年3月に公表しました。現在、少子高齢化による労働力人口の高齢化が進んでおり、働く高齢者が増加している一方で、20〜30代の若手世代が減少し、労働力人口のボリュームゾーンは、40〜50代の中年世代(ミドルエイジ)になっています。そこで今回は、同報告書をもとに、人口構造の中心をになっているミドルエイジの活力を維持・向上していくためのポイントについて、同機構主任研究員の池田心豪氏に解説していただきました。労働力のミドルエイジ化とその活力はじめに独立行政法人労働政策研究・研修機構多くの方がご存知のことと思いますが、日本社会は少子高齢化が進んでいます。そうした背景から、定年延長や再雇用を通じた高齢者の活用が、企業の人事労務管理の今日的な課題として関心を集めています。ですが、現役世代の人口構造にも変化が起きていることは、まだあまり問題になっていないように思います。かつては20〜30代が労働力のマジョリティでしたが、今日では40〜50代がマジョリティになっています。図表1は労働力人口の年齢構成割合の推移を示しています。日本が経済大国の地位を築いた1980年代は39歳以下がマジョリティでしたが、1990年代以降は40〜59歳が39歳以下を上回っています。特に2010年代以降は39歳以下と40〜しています。今後、39歳以下が再びマジョリティになること資料:総務省「労働力調査」2021年199520002005201020152020(年)39歳以下40ー59歳60歳以上2022.950図表1 労働力人口の年齢構成割合の推移50%40%30%20%10%0%1985199059歳の差が広がっており、39歳以下の割合は低下特別寄稿   1 ■ ■■

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