エルダー2022年9月号
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第63回脳力アップトレーニング!働くための篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。このように新しいルールを処理しようとすることで鍛えられるのが、「ワーキングメモリ」です。ワーキングメモリとは、作業(ワーキング)のための記憶(メモリ)のことです。情報を整理したり、処理したりする色読みゲームで、さまざまな脳部位が活性化する今回の脳トレ問題は、前頭葉に刺激を与えるのに効果的な「色読みゲーム」です。書かれている文字を読んで声に出すのではなく、文字の色を認識して声に出すという、普段やり慣れていないルールに対応しようとすることが、前頭葉を刺激します。際の「脳のメモ帳」のようなものです。また、今回のような矛盾した情報を処理していく課題を行う際には、注意力や判断力にかかわる前頭前野背外側部や、自分を観察したり、気持ちと行動の矛盾を調整したりすることに関わる内側前頭前野が活性化することも知られています。さらに、しっかり視線を動かして素早く発音していくことで、言語関連の脳部位も活性化するので、ぜひチャレンジしてみましょう。2022.964【アドバイス】解答時間が目標以上かかった人、いいまちがえた回数が10回以上の人は要注意です。禁煙、運動、バランスのよい食事、生活習慣病の予防や治療、そして認知的トレーニング(脳トレ)がおすすめです。 今回の問題は、文字が意味する色と文字の色が異なる場合、文字情報を認知するのに時間がかかるというストループ課題。心理学者のストループが心理研究に開発した課題ですが、いまでは認知機能テスト、認知的トレーニングの定番となっています。目標目標90秒00分並んだ文字の“読み”ではなく“色”を、左上から右へ順に、声に出していってください。いいまちがえた回数も数えながら、すべていい終えるまでにかかった時間を計ってください。色読みゲーム青 赤 黄 緑 黄 緑赤 青 赤 黄 緑 黒黄 緑 赤 青 赤 黄緑 黒 黄 緑 赤 青赤 黄 黒 青 青 緑赤 青 赤 黄 緑 黒黄 青 緑 黄 青 赤

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