エルダー2022年10月号
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Ⅱ同社は1964年に創業。1978年に有限会社ブルボン川上屋を設立し、2001(平成て、 2008年7月には株式会社恵那川上屋に社名を変更した。現在は岐阜県内に8店舗、愛知県に2店舗、東京都に1店舗を展開している。自社農園での栗の栽培・研究から、素材調達・加工、菓子の開発・製造・販売まで、自社で一貫して行い、栗の品質を追求するとともに、各生産地をネットワーク化している。また、同社が普及・展開した超低樹高栽培法で育てられた“超特選栗”を加工・販売するなど、6次産業化の推進とともに、地産地消を進め、農家の収益改善・にない手確保などの地域産業活性化を通じた地域貢献を目ざしている。社是である「喜び」を実現するためには社員全員の積極的な経営参加が不可欠との考えから、社員参加型プロジェクトに注力しており、このなかで若手から高齢者まで、多様な人材がそれぞれ期待される役割を果たすなど、社員全員が活躍できる職場環境を実現している。Ⅲ社員数318人中、60歳以上の社員は47人でる。2017年に正社員の定年・継続雇用制度を改定したため、新制度による嘱託社員数は現在2人のみである。従来の制度では正社員について定年60歳、希望者全員65歳までの再雇用だったが、ほとんどの社員が再雇用を希望しており、社員の「働きたい」という要望を受けて、2017年に定年・継続雇用制度の見直しを行い、改定した。また、近年業容が拡大するなかで、人材不足感が強く、経験を積んだ高齢社員の活用が必要であったため、定年・継続雇用制度や人事評価制度・賃金制度等の見直しを進めたという背景もある。高齢社員は商品知識が豊富で、同社の商品が贈答に用いられる慶弔にも詳しいため、お客さまの立場に立ったていねいな対応ができ、若手社員のよき手本となっている。2017年に、正社員について定年65歳、希賃金制度の新規導入2019年4月に、仕事と賃金のミスマッチ(1)制度に関する改善▼高齢者雇用制度の改定望者全員70歳まで再雇用し、その後は一定条件のもと、年齢の上限なく再雇用する継続雇用制度を導入した。制度改定の背景には高齢社員の戦力の維持・向上を図るとともに、だれもがスキルや能力を発揮できる職場づくりを目ざしたいという考えがあった。▼正社員の職能等級制度、評価制度、をなくすための、職能等級制度を採用した。この制度は、正社員がになう責任レベルを5段階の等級に区分し、それぞれの責任内容を「責任等級説明書」で定義するというもの。また、これにあわせて、評価制度と賃金制度も新規に導入した。評価制度は、人材育成・能力開発、給与、人材配置とも連動しており、会社が策定した「人事考課ガイド」で、社員に人事考課の目的や制度運用をわかりやすく説明している。また、賃金制度については、責任区分と経験習熟度に沿った号俸を組み合わせた賃金表として整理し、昇給ルールを開示することにより、社員からは将来を見通しやすいと好評を得ている。企業の沿革・事業内容高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方改善の内容 9Ⅳ13)年に株式会社里の菓工房への社名変更を経14・8%を占めている。最高年齢者は79歳であ恵那川上屋恵那峡店

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