エルダー2022年10月号
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Ⅳ てスタートした。弁当宅配サービス事業を拡大するなかで、独居の高齢者の食事の問題が深刻である現実に直面し、高齢者向け配食事業に着手。2004年からは、高齢者施設向けの真空パック食材製造・販売を開始した。以来、全国の高齢者施設向けに調理済み食材の企画・製造・販売を行うとともに、高齢者施設給食業務の受託サービス、在宅高齢者配食サービス、買い物代行サービスなどを展開している。2022(令和4)年9月には、松江市内に新工場を建設し、生産数量の大幅な増産を予定している。「島根県の現在の高齢化状況は2040年の日本全体の状況と同じ」 ※との認識のもと、地域社会の高齢化、社員の高齢化の問題にも積極的に取り組んでいる。Ⅲ社員数147人中、60歳以上の社員は45人で、定年は65歳。定年後は就業規則により希望者全員70歳まで再雇用しており、70歳以降も運用により年齢上限なく働き続けることができる。長年総務業務にたずさわった人にはこれまでつちかった知識やスキルを最大限活かして活躍してもらうため、総務業務の指導役に加え、社員からの相談窓口(社会人としての生活などに関する一般的な相談に対して、社会人の先輩として対応)を担当させている。同社は、比較的若い企業であり、事業規模を急拡大していくなかで、企業として、現場の仕事の管理だけでなく、社員管理のノウハウや、若い管理職の補佐・育成を行う人材も必要となったため、産業雇用安定センターを活用して大企業(製造業)OBを中途採用した。正社員は、①作業職、②総合職、③監督職、④管理職に区分されるが、定年後の再雇用では、本人と面談し希望を聞きながら、「総合職相当と会社が判断すれば総合職」というように柔軟な対応を行っている。2012年に、知識やスキルを身につけた高2021年に「当社で働く社員は、無期雇用2018年2月に、「人事評価システム」、「成(1)制度に関する改善▼定年の延長と継続雇用齢社員にさらに活躍してもらうため、定年年齢を65歳に引き上げるとともに、再雇用年齢についても「希望者全員65歳」から、「希望者全員就業規則の解雇規定に抵触しないかぎりは、運用により年齢の上限なく再雇用を行っている。▼賃金の対応も有期雇用も待遇差を設けない」という考えのもと、職務内容が同じならば賃金テーブルは同じとした。これにより、定年前の正社員と再雇用の嘱託社員との待遇差を解消した。(2)意欲・能力の維持・向上のための取組み▼評価制度のシステムを開発長シート」を自社開発。社員一人ひとりが目ざすキャリアを自身でデザインし、ステップアップできる制度を整備した。これは、実際に仕事をしていくうえで、「自分軸」を見すえて自身の成長について考える機会となっている。例えば高齢社員であれば、「パソコンスキルの向上」などを目標にあげる人も多く、社員からは「将高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方改善の内容1765歳定年以降の社員の配置としては、例えば70歳まで」に引き上げた。70歳以降についても、30・6%を占めている。最高年齢者は82歳である。※ 2040年の高齢化率は35.3%と推定されている(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より)会社外観

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