エルダー2022年10月号
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手すりを設置した。休憩室の環境整備においては、「相談窓口」を担当している高齢社員が中心となって社員の声を集約し、実現したものである。(4)そのほかの取組み同社は、経済産業省「地域未来牽引企業」・「はばたく中小企業300社」に選定され、厚生労働省「もにす認定」を受けており、企業のモットーとして、「世の中を良くし、故郷を守り、昨日より今日、今日より明日」を掲げ、少子高齢化、過疎化が進行するなかで、少しでも地域に貢献したいという理念に基づいて、日々活動している。地域貢献の一例として、2011年より「ごようきき三河屋サービス」という、高齢者などを対象とした買い物弱者支援サービスを実施しており、現在、同事業を通じて、地域の高齢者の「見守り」も行っている。(5)高齢社員の声宅配業務を担当してい長な妻つ誠まさん(67歳)は「独居の高齢の方の見守りができていることが自分のやりがいになっています。また、評価制度が充実していて、例えば毎月『一人当たり付加価値額』が全社員に示されるため、『自分もがんばって売上げを伸ばさなければ』という気持ちになります。長期的に付加価値額を落とさないためには、宅配の安全・無事故が非常に重要だということを肝に銘じて業務にのぞんでいます。社員一人ひとりにとって、業務全般に対して問題意識が高まる仕組みだと思います」と話す。(6)今後の課題る職場を創生していくことこそ地域貢献と考え、高齢者が活躍できる職場環境を実現するとともに、年齢、性別、国籍にかかわらず、社員の一人ひとりが人生の生活設計と、キャリアアップができる仕組みを引き続き構築していく考えだ。り、これを解決していくため、「食事サービス総合支援システム」の開発部門を新工場に併設する予定だ。これまで現地厨房で行っていた加工業務を製造工場で一括加工し流通させるこのシステムの活用で、島根県の第4次産業革命への寄与を視野に入れている。高齢化率の高い島根県で、高齢者が活躍でき厨房部門の人材不足の問題は喫緊の課題であ▼安全衛生、健康管理年間安全衛生計画に基づき、安全衛生委員会メンバーで各事業部を巡回し、安全衛生の観点から作業現場の危険個所の報告と「カイゼン」を行うとともに、各業務における危険予知訓練を行っている。宅配業務における無事故の実績や、経営に直結する安全確保の取組みが評価され、令和4年度に一般社団法人島根県安全運転管理者協会の優良安全運転管理者表彰を受賞している。社員の健康管理面では、朝礼時にラジオ体操を実施するとともに、2021年にはパートナー企業であるスポーツジムのインストラクターを招き、腰痛予防セミナーを開催した。そのほか、同社では本社横にある空き家を倉庫、打合せスペース、休憩室として活用しているが、休憩室を和室に改装するとともに階段にことがま19腰痛予防セミナーの様子会社への貢献に対して表彰。左から2番目が長妻誠さん

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