エルダー2022年10月号
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等級)、課長(Ⅴ等級)、部長(Ⅵ等級)の6段階あり、それぞれが1~5級の5段階に分かれている。各級は35号に細分化され、評価に合わせて昇給させることが可能になっている。また、「管理・専門階層」である部長・課長、「推進・指導階層」である課長代理・係長、「実務階層」である担当職・一般職は、それぞれに達成すべき要件や役割を設定。例えば担当職なら「組織的な判断力をマスターする。組織目標に参画し仕事の目標をもつ。応用動作範囲を広げる」、一般職なら「組織の基本ルールを理解し順守する。組織人としてのコミュニケーションを保つ。初歩的な応用動作をマスターする」などが定められている。(2)高齢社員を戦力化するための工夫▼技能継承と人材育成同社の高齢社員は技能継承と次世代の育成に力を発揮している。例えば、甘納豆づくりでは、「豆がどのような状態になれば次の工程に進むのか」といった熟練した感覚が大切で、それに応じてさまざまな機械を微調整しながら扱う方法などを、ベテランから若手に伝承する。また、同社では年齢に関係なく会社に必要な人材であれば、高齢者でも中途採用する方針である。例えば、以前製造業で働いていた高齢社員が経験を活かして工場内の手すりや甘納豆を煮る網をつくり、社内の営繕を担当するなど、これまでの知識・経験・技術を活かして活躍できる職場づくりを進めている。▼評価制度同社では各期の会社目標、組織目標のもとで、「成果・達成」、「役割・スキル」を評価する。「成果・達成」では、個人の売上げの増加や、残業時間の削減などを目標にし、「役割・スキル」については、「課題形成」、「人材育成」、「人事管理」、「組織運営」、「業務遂行」、「リーダーシップ」などが6段階で評価される。定年後も基本的な評価方法は同じで、業績評価は賞与に、役割評価は等級・給与に反映される。▼IT機器の導入職場のIT化を推進しており、2021年にタブレット端末を4台導入した。ビデオ撮影された高齢社員の作業方法や技術をタブレットでくり返し視聴して確認できるようになり、若手社員の習熟度の向上に役立っている。一方で、一つひとつの作業状況を記録できるようになったことにより、万が一ミスが発生した場合、どの段階でミスが発生したのか追跡できるため、心身機能が低下しつつある高齢社員にとって業務のふり返りができることは安心につながっている。きる65インチのモニターを工場に導入し、高齢社員がより大きな画面で作業を確認できるようにしている。(3)雇用継続のための作業環境の改善、▼作業環境の改善①大型エアコンの導入豆を煮込む作業を行っているが、夏場の作業場の室温は40度以上になる。熱中症対策として大型扇風機を設置していたが、高齢社員には体力を消耗しやすく負担も大きかったことから、2また、このタブレットの情報を見ることがで健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み甘納豆課では、創業当初から大鍋を複数使い22タブレットで、高齢社員の作業の様子を動画で閲覧することができる熱中症対策として大型エアコンを導入八雲製菓 株式会社

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