エルダー2022年10月号
25/68

021年にエイジフレンドリー補助金 ※を活用し、作業場に大型エアコンを3台設置した。②パワースーツの導入高齢社員を含め重労働作業者にはパワースーツを着用してもらい、作業負担の軽減を図っている。パワースーツは持ち上げる際などに起こりやすい腰痛の予防や、作業場の安全確保にも寄与している。③事故防止対策同社の社屋は旧小学校を改築した建物のため、構造が複雑で足場が悪い箇所が多いことから、危険箇所には「頭上注意」や「手すりにつかまってください」などのポスターを掲示し、事故防止対策に取り組んでいる。④熱中症防止対策ウォーターサーバーを数カ所に設置したほか、塩あめを配布し熱中症防止対策を行っている。⑤休憩時間・休憩室の整備作業にあたっては、帽子、マスク、ユニフォーム、手袋などの装着を徹底しており、社員は衛生管理に細心の注意を払っている。加えて、高温作業もあることから、コンディションや集中力を維持するため、毎日15時からの15分間を一斉休憩時間としている。また、ゆっくり体を休められる休憩室を整備している。▼社長面談同社では、全社員が年に2回の社長面談を以上の重い材料を行っているが、高齢社員においては年4回実施。健康面や家庭状況、働き方に関する希望などについてヒアリングし、一人ひとりの状況把握を行っている。希望に応じて短時間勤務に変更するなど、柔軟に対応している。(4)そのほかの取組み同社の商品のラインナップは何十年と続くロングセラー菓子が中心となっており、新商品開発は急務でコスト削減なども喫緊の課題となっている。そこで、全社員から新商品開発案やコスト削減案を募集したところ、高齢社員から高齢者目線による新商品の提案や、知識・経験をもとにしたコスト削減案が提案された。また、社員が親しみを持てる経営理念の「標語」を募集したところ、ある高齢社員の提案が採用され、社内表彰を行った。同社では障害者雇用にも積極的に取り組んでいる。創業当初から障害者が働いていたことも宮み四し郎ろさん(78歳)は、勤続45年の大ベテラン。うやめあり、障害者の「働きたい」という思いを支援することに注力してきた。現社長が理事長を務めるNPO法人を含め、複数の障害者就労施設と業務委託契約を結び、商品の梱包作業などを依頼している。また、就労施設指導員への技術指導などを、経験豊富な高齢社員がになっている。(5)高齢社員の声同社社屋は1949(昭和24)年建築の小学校を改築したもので、増改築や修繕にあたっては、「高校時代に取得した建築や溶接関係の資格を活かして、安全に効率よく作業ができるよう、日々工夫をしながら業務にあたっている」という。また、「短時間勤務制度が導入され、自分の体力やライフワークに応じて出勤できるようになり、とても働きやすくなった」と話す。(6)今後の課題合わせ、労働時間の短縮や休日の増加を選択しながら働くことができるようになったため、心身ともにゆとりができ、高齢社員への働き方改革へとつながった。今後も全社員が健康で明るく働ける職場環境構築のため、定年廃止や再雇用年齢の引上げなども検討予定だ。さらなるステップアップを目ざして同社のチャレンジは続く。会社全体の営繕関係の業務を担当している雨あ介護と仕事の両立や高齢による体力の低下に2330 kg※ エイジフレンドリー補助金……高齢者が安心・安全に働くことができるよう、中小企業事業者による職場環境の改善等の安全衛生対策に対し補助を行うもの。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html雨宮四郎さん

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る