エルダー2022年10月号
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る。▼健康経営・健康管理定期健康診断で再検査や治療が必要となった場合や、特定検診により特定保健指導の対象となった社員に対しては、医療機関を受診するように推奨している。また、始業時にラジオ体操を行い、健康増進に努めている。同社は常日ごろから、社員の健康状態を気にかけており、社員の異変に対して、経営層や管理職、ほかの社員が気づける関係性(隣人に関心があるという関係)を築いている。本人が「大丈夫」といっても、ほかの社員が「何かおかしい」と気づいたらただちに、経営層や管理職に連絡する体制がとられている。この結果、会社として、社員の病気の早期発見と適切な対応(医療的処置など)が可能となっている。こうした取組みにより、2020(令和2)年1月、全国健康保険協会奈良支部より第4回「職場まるごと健康チャレンジ」で表彰されたほか、同年3月に「健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)」の認定を取得した。これらの表彰・認定により、社員の健康管理・健康経営に関する意識は一層高まっている。(4)高齢社員の活躍他社を定年退職した角つ森もまゆみさん(72歳)は、簿記1級資格を持っており、同社の経理業務の中心的な役割をになっている。同社が業務拡大をするなかで、資産管理や銀行との折衝などにおいて専門知識を活かし社長を支える人材として活躍している。現在も、月平均130時間を超える勤務を続けており、ていねいで確実な仕事ぶりでお客さまからの信頼も厚い。(5)今後の課題現社長は2010年に事業を継承したが、社長就任当時は社員が15人という小さな会社だった。その後の約10年間、社員とともに汗を流し、苦労を分け合いながら努力してきた結果、運送業から物流倉庫事業に参入し、総倉庫面積は2万坪を超え、社員約150人を抱える企業に成長した。今後は次世代への事業継承が重要なポイントとなっている。後継者の一人でもある副社長は自分に何ができるかを懸命に考え、奈良県初の医療・医薬関連の超低温対応メディカル物流会社を立ち上げ、発展させている。年齢や経験を超え、責任ある仕事に就かせ、まかせて経験させる同社の人材育成は、見事に結果を生み出しているといえる。 のり27毎朝実施しているラジオ体操最高齢社員の榊さかき原ばら年とし一かずさん(79歳)経理業務で活躍している角森まゆみさん

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