エルダー2022年10月号
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センター・ホームヘルプサービス事業を開始し、1994年からは地域のニーズを受けて365日夕食を届ける配食事業を行っている。また、2006年にグループホーム「心こ」、2009年に小規模多機能型居宅介護施設「福の木」を開所するなど、続々と新しい事業を展開して、地域の高齢者介護サービスに大きな貢献を続けている。Ⅲ職員数132人中、60歳以上の職員は37人で「年金がもらえるまではずっと働ける」、「職員に不安を持たせない」という理事長の強い信念のもと、実質的な終身雇用を目ざし、2019年に70歳定年を導入し、運用により希望者全員を年齢上限なく再雇用することとした。なお、退職金は70歳定年時に支給する。(1)制度に関する改善▼賃金制度賃金については、定年となる70歳まで給与を下げない仕組みとしている。また、定年後の再雇用では日給制となり、経験年数に応じた昇給を行っているほか、賞与も支給している。年齢に関係なく昇給・賞与のある仕組みとしたことで、高齢職員のモチベーションの低下を防いでいる。▼評価の仕組み細な関係性を、数値化して評価することは非常に困難である。チームリーダーへの昇格や役職への昇進については、専門的知識や人間関係の調整、チーム運営、事務処理などの観点から、理事長および施設長が判断している。(2)高齢職員を戦力化するための工夫▼介護業務のシェアで職務を創出方で、介護業界では人材不足が続いている。そこで同法人では、①介護専門職(介護士)が本来の業務に集中することで業務を効率化できないか、②地域の高齢者に、無資格・無経験でも体力に見合ったやりがいのある仕事を提供できないか、と考え、介護専門職の本来業務以外の業務の切り出しを実施。2010年に「キッチンヘルパー」、「見守りヘルパー」という新たな職種を創出し、介護業務の“シェア”を行った。を中心とする業務を行うのに対し、「キッチンヘルパー」は利用者の食事やお茶の準備、片づけなどを、「見守りヘルパー」はリビングでの利用者の見守り、話し相手、趣味活動の支援などを行う。介護業務における利用者個人との密接かつ繊介護福祉施設における業務は多岐にわたる一介護士が高度なスキルを必要とする身体介護4多床室を多人数のチームで運営するのでは5少人数のチームが基盤となっていることで、材確保と人材育成に注力している。なく、8~9人のチームで20人の利用者に対応することで、密に情報共有を行い、きめ細やかなサービスを提供している。職員間の十分なコミュニケーションが可能となっている。会議や研修を通じて施設の基本理念を共有し議論を尽くすことで業務改善を効果的に推進している。同法人は、1977年に設立認可を取得するⅡ Ⅳと、1978年に特別養護老人ホーム唐松荘の業務がスタート。さらに、1989年にデイサービスセンター、1992年に在宅介護支援企業の沿革・事業内容高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方改善の内容ころ2928・0%を占める。最高年齢者は74歳である。特別養護老人ホーム唐松荘

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