エルダー2022年11月号
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応など、社会インフラに対するさまざまなニーズが高まるなかで、全社一丸となって事業に取り組んでいる。人で16・1%を占めている。70歳以上は33人(4・3%)で、最高年齢者は78歳である。建設コンサルタント業界は慢性的な人材不足に直面しており、人材の確保・流出防止は同社にとっても大きな課題となっていた。また、海外では、80歳のコンサルタントが現役で活躍している例などもあったことから、2018年に高齢人材の活用に向けた検討を開始した。当初は、65歳定年および70歳までの再雇用制度を導入する方向で検討していたが、経営トップから「会社の競争力は“人”である。ダイバーシティ推進のため、女性や障害者、外国人と同様に、高齢人材の活用を積極的に行いたい。そのためにも70歳定年を実現したい」という強い意向が示され、70歳定年を前提とした人事制度改革への取組みがスタートした。以前から65歳以降も契約社員として働ける仕組みはあったが、定年延長後は「70歳まで働ける」ことを知り、応募をしてくる人もいるという。実際に、自治体OBの技術職や、民間企業での定年・再雇用を経て、同社に入社したコンサルタントもいる。(1)制度に関する改善▼定年延長までの再雇用制度を改定し、70歳定年制を導入した。イノベーション」の実現を目ざす人事制度改革の一つに位置づけられ、「創造性と生産性の向上」、「人材育成の基盤強化」を合わせた3本柱で改革を実行。この人事制度改革により、長く働ける環境が整い、熟練者のスキル・知識を活用した技能継承を行う体制が整備された。で再雇用となっていた60~65歳未満の契約社員については、定年延長にともない正社員に戻している。能力があり、健康状態が良好な場合は、1年ごとに契約を更新する契約社員として、年齢の上限なく再雇用している。▼複線型キャリアの導入全社員が単線型であったが、まず60歳未満の社員のキャリアパスを複線型に変更。「マネジメン2019年4月、それまでの60歳定年・65歳「70歳定年制の実現」は、「ワーク・ライフ・また、旧制度下(定年60歳、再雇用65歳まで)なお、70歳定年以降については、働く意欲・人事制度改革以前の同社のキャリアパスは、企業の沿革・事業内容高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方改善の内容4シニア社員に対しても評価制度を実施し、モチベーションアップを図っている。のコンサルタントとして、1951年に日本上下水道設計株式会社として設立。戦後まもない時期に、近代的な上下水道の普及と技術者の育成を目ざし、事業を展開してきた。創業以来70年を超えて、水と環境の技術を通じて、地域・社会への貢献を続けている。グローバル化・デジタル化の進展を背景に、上下水道等インフラ事業は新しい時代を迎えている。サステナブルな社会の創造に向けて、ライフサイクルを通じた管理の効率化、民間のノウハウの活用のほか、災害対策や環境保全の強化、さらなるグローバル化・デジタル化への対13人事総務部の米よね塚づか寛ひろ樹きさん(左)と市いち原はら麻ま里り絵えさん(右) ⅢⅢ社員数772人中、60歳以上の社員は124ⅡⅡ株式会社NJSは、日本で最初の「水と環境」ⅣⅣ

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