エルダー2022年11月号
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歳以上については雇用形態を時間給のパートタイマー・アルバイトへ転換するなどの運用で、年齢の上限は定めず再雇用していたが、2009年に嘱託規程を新たに定め、1年ごとに雇用契約を更新する運用を試験的に導入。2020年に改正高年齢者雇用安定法が成立したのを機に、定年後の再雇用と社外の定年退職者の再雇用については75歳までを契約期間とするとともに、76歳以上についても契約を更新することがあることを就業規則(嘱託規程)に明文化した。これにより会社は人材確保が安定的になり、「雇ってもらえるかぎり働きたい」と、社員たちの安心とモチベーションアップにもつながった。▼賃金と人事考課制度定年後の賃金については、原則として昇給は行わないが、社会情勢により基本給の底上げが必要と認めた際には実施。また、定年前の業務内容、役割、勤務形態に変更がなければ定年前と同額の給与を支給している。いている職場改善のための提案制度である。現場で働く全社員が普段から業務で悩んでいることに着目して、改善提案を行うもの。病院の設備管理を担当する高齢社員から出された「電動ベッドの電池残量チェッカーをつくってみてはどうか」といった発明に近い提案から、「若手がこうしたら働きやすい」という視点からの改善案まで、気負いなく提出されている。▼社内勉強会の実施り、高齢社員を含む熟練社員が持ち回りで講師役を務めている。また、外部から講師を招いて、顧客満足(CS)向上や清掃・ビル管理にかかわる作業・法律・制度、労務などをテーマとした勉強会も実施している。(3)雇用継続のための作業環境の改善、▼健康経営優良法人宣言員の健康を第一に考えて、2021・2022年に「健康経営優良法人」に認定された。健康診断受診率は100熱中症対策として、毎年7月に冷感マスクと塩分補給食品を全社員に配付したり、今般のコロナ禍においては消毒用アルコールと会社オリジナルのマスクを全現場に設置したりしている。業務内容に関する社内勉強会を実施してお健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み人間ドックの受診率は%、▼就労継続支援事業所と業務相互支援による(2)意欲・能力の維持・向上のための取組み▼再就労を推進する「永年スタッフ登録」定年退職者は、定年後のライフプランと再雇用の意思確認をしたうえ、「永年スタッフ」として登録する仕組みがある。退職後数年経過した場合でも、同社の求人と、永年スタッフの希望条件をマッチングさせて再雇用をサポートするというもので、ビル設備管理、電気、エネルギー、衛生など業務関連の資格保持者には、同社から再雇用を依頼することも多い。再雇用となった場合でも、継続して勤務している社員と同様に選任手当や資格者手当を支給している。人材育成高齢社員の作業負担軽減のため、現場統括責任者や指導者、就労継続支援事業所「ハートランド」の指導員など、作業者ではなく、統括指導や教育がメインとなる現場での就労プランを作成し、個人面談で業務転換を打診している。▼若手社員と役割分担し協業現場でのメイン作業は体力がある若手社員がにない、作業補助を高齢社員が行うペア就労で役割を分担し作業に従事している。また、高齢により車の運転ができない社員には、若手社員が現場まで送迎するといったサポートも行っている。▼現場改善提案制度「現場改善提案制度」は、同社で30年以上続22ビルの設備管理業務を行う高齢社員の様子70%を達成している。また、2018年からは、60歳以上の社員が半数を占める同社では、社株式会社 セイセイサーバー 

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