エルダー2022年11月号
28/68

えば週5日勤務を4日にするなど、勤務日数を柔軟に選択できるようにすることで、高齢社員の働きやすさに配慮している。▼モチベーションの維持・向上を図る賃金制度賃金に関しては、70歳定年後の再雇用においても、基本給のベースの変更は行っていない。また、定年後の再雇用でも昇給があり、資格取得者には資格手当も付与されている。賞与についても年齢での区切りはなく、賃金と同様に評価制度の結果に基づいて支払っている。これにより、高齢社員は処遇の低下を心配することなく業務に集中することができる。▼多様な勤務形態の導入警備業務の特性上、時間単位の勤務時間の調整がむずかしい面があるため、基本的に日数単位で調整をしている。勤務形態(月の所定日数)を、①16〜20日・②10〜15日・③10日未満の三つに分けて、社員それぞれの働き方に対応しているほか、勤務先についても柔軟に調整している。また、配置転換については、新しい勤務先への適性を確保するために数日間の研修を行い、習熟度が足りない場合は研修期間を延長している。(2)高齢社員を戦力化するための工夫▼評価制度の導入定年後の再雇用者を含む全社員を対象とした評価制度を2018年から導入し、毎年度見直しながら運用している。評価は年2回実施し、それぞれ三次評価まである。一次評価は、警備業務なら教育を担当する部署である教育部の者、請負・委託業務なら事業所の業務経験豊富な者および上司を中心に現場巡察を行い、現場における業務態度、マニュアルの遵守状況などを確認のうえ、職務成績の評価を行っている。二次評価は、警備業務なら教育部の長が、請負・委託業務なら各事業所の副責任者以上の者が情意・能力評価(規律性や協調性、積極性)、勤怠の実績評価(欠勤や遅刻・早退など出勤日数の状況を点数化)を行っている。三次評価は、一次・二次の結果を含めた総合得点をもとに、役員らによる最終的な評価となる。▼能力開発支援警備業務に必要な資格取得を支援する制度を運用しており、社員のスキルアップをうながしている。また、有資格者による試験対策指導や勉強会など資格取得試験の事前対策に加え、試験費用の全額を会社が負担している。事前対策講座の開催は合格率の向上につながっており、不合格の場合でも再試験費用は全額会社負担。資格取得者には資格手当を支給している。▼社内外のコミュニケーションの活性化企業文化として、世代間の垣根を設けず風通しのよいコミュニケーションづくりを目ざしている。例えば、高齢社員と若手社員のペア就労により、経験の浅い若手社員に高齢社員の視点やノウハウを伝えることが可能となっている。一方、体力を要する業務は若手社員が担当するなど、互いに不得手な部分を補い合うことができるようにしている。こうしたコミュニケーション促進の取組みは、女性や障害者も含めて展開されており、働きやすい風土を構築している。また、顧客から評価された社員に対する表彰制度を設けており、毎日行う朝礼や終礼で発表することで、社員のモチベーションアップにつなげている。(3)雇用継続のための作業環境の改善、▼健康診断受診と産業医のサポート健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み年1回の健康診断受診にあたっては、会社の26社員のための資格取得試験に向けた有資格者による勉強会の様子株式会社 GFM

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る