エルダー2022年11月号
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指定する受診機関で人間ドックの受診も可能であるため、社員はどちらのコースも選択することが可能である(ただし、人間ドックの追加費用は社員負担)。また、産業医にメンタルヘルス面も含めた健康相談ができる体制が整備されている。▼介護(看護)支援制度2015年4月に育児介護休業規程を変更し、親・子・兄弟・配偶者だけでなく、孫がいる高齢社員について、年次有給休暇とは別に、孫のための介護(看護)休暇を取得できるようにした。▼車両運転業務従事者への適性検査の導入業務で車両を運転する社員については、年齢を問わず、年1回、適性検査の受診を義務づけており、その検査結果に基づいて担当業務の見井い上う嘉よ昌まさん(67歳)は2019年に入社。えしさの直しを実施している。(4)そのほかの取組み▼年次有給休暇の取得促進有給休暇の取得率は85%〜90%と高い。気兼ねなく取得できるよう、特に高齢社員の体力回復や持病による通院などの必要性を鑑み、2012年より、年次有給休暇の計画的付与制度を導入している。▼ボランティア休暇制度高齢社員のなかには、居住する町内会のボランティア活動などに参加しなければならない人が少なからずいることから、社員の地域貢献活動を支援するために社内規程にボランティア休暇制度を導入した。▼再雇用制度(カンバック制度)高齢社員が、介護問題や自身の疾病などの事由で退職した場合に、会社で再度働くことができる制度としてカンバック制度を導入している。この制度は、高齢社員の在職中や退職後につちかってきた経験・知識・技能を活かすことを目的としている。(5)高齢社員の声放置車両確認事務の事務所管理運営のほか、パーキングメーター等管理業務においては入札業務にもたずさわっている。「目の回るような忙しさですが、やりがいを感じながら日々を送っています」という井上さんは、「会社のチャレンジ制度による費用負担で駐車監視員の資格試験に合格して、駐車監視員資格者証を取得しました。また、体調不良などで退職した場合でも体調が戻れば復帰できるカンバック制度もあり、社員に対する温かい思いやりは、創業者と現社長が築き上げ、つちかってくれた社風と感じています。社員に対する温かさを感じながら勤務しています」と話す。(6)今後の課題人材の力を活かし、企業の成長につなげていく方針だ。高齢社員にとっての頻出の課題(自身の健康問題、介護)に直面しても、働き続けられるように制度改善を行っていくとともに、体力・体調面については、健康診断や日々の健康観察、面談での管理・支援・配慮を行い、高齢社員の声を取り入れ、時代や状況の変化に合わせて柔軟に対応していくという。同社では、今後も意欲的で経験豊富なシニア27パーキングメーター管理業務はペア就労が基本井上嘉昌さん

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