エルダー2022年11月号
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古ふ川か勝か治じさん(85歳)は、7時30分から9時つわるうかんかとんうきん提供を開始し、60歳超の社員が麺打ちを担当。高齢社員の力を活かす場になっている。(3)雇用継続のための作業環境の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み▼高年齢者面談シート半年ごとの契約更新の際の面談で健康状況を把握する。直属の上長が「高年齢者面談シート」を作成し、健康状況についても共有し、本人の希望もふまえ更新条件を決定する。▼5S※巡回・安全衛生パトロールで環境改善おかげ横丁活性化委員会による5S巡回と労働安全衛生委員会による職場パトロールにより、危険箇所の抽出と安全対策の実施を徹底。階段に手すりを設置、頭をぶつけるリスクのある場所にクッション材を貼るなどの改善を行っている。▼照明のLED化地下事務所への階段、廊下などを中心にLED化を推進し、照度アップで転倒防止を図っている。(4)高齢社員の声おかげ横丁では毎日、接客や調理、洗い場、清掃、配送、管理などさまざまな部門で高齢社員が活躍している。まで、製造場所からおかげ横丁の店舗へ団子やケーキの配送・運搬、空き箱の回収作業を行っている。2時間の休憩をはさみ、11時から15時岡お祐ゆ司しさん(68歳)は、料理人として50年のまでは郷土料理店の洗い場に立ち、食器を洗う。古川さんは63歳で入社して、約10年前からこの仕事を担当。「洗い場へ早めに行って仕事がしやすいように整えておくとみんなが喜んでくれます。いろいろ相談してくれることもありうれしいですね。一段落すると、若い人とも話ができて楽しいです。2013年の式し年ね遷せ宮ぐの行事に参加したのですが、次も参加することが現在の目標です。11年後ですが、仕事もそれまで続けていられたらと思っています」と活き活きとした表情で話す。同社最年長の古川さんの働きぶりについて、岡お本も乾け取締役管理本部長は、「たくさんの食器を一生懸命に洗い、運搬作業ではいつも元気に仕事をしています」と話す。経験を持ち、ホテル勤務などを経て63歳で料理部の責任者として入社した。65歳の定年以降は(2)意欲・能力の維持・向上のための取組み長い間つちかってきた知識、技術、経験などを発揮して働き、それらを後進に継承することや、日々新しいことに出会う若い社員を温かく支援してもらうことを期待して、意欲・能力アップに向けて次の取組みを実践している。▼面談時、ミッションを書面で伝える再雇用になるタイミングや契約更新の面談において、話合いのうえで条件とミッション(役割)を決めている。書面で提示し、役割を理解してもらうこと、会社と本人の認識の差をなくすことに努めている。▼正社員以外にも永年勤続表彰制度を導入パート・アルバイト社員も永年勤続表彰の対象とした。同社の社員が集まる社員大会の晴れ舞台で表彰を受けることで誇りを持ち、モチベーションのアップにつながっている。▼再雇用後の役職として「補佐」を設置役割によっては役職も必要と考え、部門長を補佐する「補佐」を設定し、任命している。▼サンキューカードを導入社員相互で感謝や応援の気持ちを伝え合う仕組みとしてサンキューカードを導入。携帯電話、スマートフォンから気軽に送ることができ、送る方も受け取る方も晴れやかな気持ちになり、やりがい向上などの効果が期待できる。▼新しい仕事をつくるおかげ横丁で1日150食ほどの手打ち麺の34※ 5S……整理、整とん、清掃、清潔、しつけによる職場環境の維持・改善活動古川勝治さん15㎏ほどの団子類も運んでいます。欠勤もなく、株式会社 伊勢福(おかげ横丁)

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