エルダー2022年11月号
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さろ場の持つ技術を駆使して、工場間での連携を図りながら、「ワンストップサービス製造業の九州ナンバーワン」を目ざしている。また、「社員やその家族、取引先の幸せを作り続けること(幸福創造業)」を基本理念に掲げ、社員の成長が会社の成長につながるとの考えから、多様な人材がそれぞれの能力を発揮して活躍できる職場づくりを推進している。を占めている。創業50周年を迎えた2021年、社員の15%超が60歳以上という年齢構成となるなか、高齢社員には、長年ものづくりにたずさわるなかで成長し、同社の礎を築いた者が多く存在していることから、その能力や知識、経験を活かし、後進の指導、技能伝承の役割を担当してもらいたいと同社では考えていた。総務部の黒く田だ政ま司し課長は、「モノづくりの技能は一朝一夕に身につくものではなく、熟練工と呼ばれるまでには相当な年数が必要とされます。また、若手社員や技能習得中の社員から、『熟練の高齢社員の技術をもっと学びたい』と望む声が多かったこともあり、2021年10月、高齢社員の活躍拡大を目ざして、定年を65歳へ引き上げました」と高齢者雇用の取組みと背景を説明する。再雇用制度を整備するとともに、高齢社員がモチベーションを落とすことなく能力を発揮できるよう賃金体系の見直しも行った。(1)制度に関する改善▼高齢者雇用制度の改定年齢が上がるなどの変化に対し、どういう対策をしたらよいのか」などの社員対象アンケート調査を実施したところ、「可能であれば長く働き続けたい」という希望が多いことがわかった。そこで、定年年齢を60歳から65歳に引き上げ、再雇用制度を導入した。し、本人の希望により、定年前と同じフルタイム勤務のほか、短時間勤務(時差出勤も含む)など柔軟な働き方を選択できる労働条件を提示することにした。働くことが可能となり、生涯現役でものづくりにたずさわりたい社員からは、「安心して働ける」との声が聞かれている。▼70歳以降についてまた、65歳定年以降、希望者全員70歳までの高齢者雇用制度の改定にあたり、「年金受給これらの改定により、70歳まで希望に応じて企業の沿革・事業内容高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方改善の内容上に努めつつ、育成のためのコミュニケーションスキルを学び、活躍している。プレス工業として創業。板金加工からはじまり、当初より「仕事は断らない」、「当社はサービス業」の精神で新たな仕事に挑戦して顧客のニーズに応えて成長。建築、装置、プラント、自動車など幅広い分野のものづくりをになうようになった。1986年に社名を「株式会社南光」に変更し、現在に至っている。現在、鹿児島県と宮崎県に6工場を有しており、それぞれの工場ごとに、異なる分野の新製品の製作や既成製品の改良などを手がけている。装置やプラント分野では製缶から機械加工・塗装・組立、建築金物分野では設計・製作・施工、セラミック加工分野では切削・研削、自動車関連分野では設計・製作など、それぞれの工37会社外観70歳以降も、本人が働きたいと希望し、会社65歳定年以降については1年ごとの更新と65歳以降は希望者全員70歳まで雇用を継続するⅢⅢ社員数232人中、60歳以上は36人で15・5%ⅣⅣⅡⅡ株式会社南光は、1971年に有限会社南光

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