エルダー2022年11月号
55/68

消極的な者も少なくありませんでした。そこでA社では、こうした役割・職責の変更をともなう高齢社員のモチベーション低下を抑制するために、役職定年となる55歳以降の社員を中心として、自身のこれまでのキャリアを見つめなおし、残りの仕事人としての人生を前向きに過ごすための機会として、「高齢社員向け マインドセット※2変革プログラム」という研修を実施することにしました(図表1)。A社にかぎらず、役職定年あるいは定年再雇用により役割・職責が変更になった高齢社員の活躍を十分に促進できていないのが実情です。特にマネージャーとしての経験が長かった管理職者などは、役職定年によりマネージャーからプレイヤーに戻るにあたり、深刻な「目標喪失」の状態に陥ることがあります。その結果、例えば惰性で業務を行ってしまい、成長・進化が図られず、結果的にパフォーマンスを低下させることも少なくありません。「高齢社員向け ラム」では、こうした状況に陥っている高齢社員層に対して、おり、「つちかってきた技能を最大限に発揮するときである」というポジティブな考え方を醸成するマインドセット変革プログⅢ.「ストレングス:強み探索」フェーズⅤ.初日レビューⅦ.クロージング 「パフォーマンス向上計画」策定 ※17:00終了①ビジネスパーソンとしての集大成を迎えて53※新経営サービス人事戦略研究所作成資料※2 マインドセット……過去の環境・体験から形成され、固定化している物事の見方・考え方実施概要実施形式Ⅰ.オリエンテーション ①研修プログラム概要説明 ②アイスブレイクⅡ.「バリュー:価値観言語化」フェーズ   受講者一人ひとりの上司に、事前作成してもらっている本人の強みと感じている   ①②の強みを今後の業務で「どのように活かすか?」を検討Ⅳ.初日のふりかえりとまとめ ※17:00終了Ⅵ.「マスト:期待事項検討」フェーズ  ①期待役割ブレイクダウン検討   事前に策定している期待役割発表~解説。以下の手順で現場において、役割遂行をどのように果たすことが効果的なのか、自身の存在価値を高めるのかを対話形式で検討   1stグループ別担当決定 2ndコアチーム検討 3rdブラッシュアップチーム検討  ②重要マインドセット事項の確認 ・クリティカルシンキング ・時間感覚 など ①「自分史」ワーク 幼少期から現在に至るまでの半生をふり返り、相互につちかわれた価値観をフィードバック ②「自己概念」ワーク「自分とは何者か?」を検討するワークを通じて価値観探索 ③「重要バリュー」言語化~業務具現化検討  ①②をふまえて価値観を言語化。その価値観に沿って今後の業務をどのように進めるべきか?を検討 ①成功体験インタビュー 半生のなかでの成功体験【時期・テーマ・成功に導いた要素(自身・他者要素)など】を思い起こし、相互伝達。その内容より、メンバーから30~40項目の強みフィードバックを受ける ②上位者からの手紙内容・今後の期待事項を記した手紙を配付 ③ストレングス活用施策検討4thコアチーム再検討 5th全体対話講義体感ワークグループワーク講義個人ワーク講義グループワーク手紙配付個人ワークグループワーク講義個人ワークグループワーク全体対話講義グループワーク~図表1 高齢社員向け マインドセット変革プログラム例時間【初日】9:009:40~13:4013:4016:4016:40【2日目】9:009:10~16:0016:00生涯現役時代生涯現役時代のの高齢社員活躍支援ののポイントポイント高齢社員活躍支援

元のページ  ../index.html#55

このブックを見る