エルダー2022年12月号
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MUST」を明確にすることです。しかし、※4 失われた30年……30年間の経済低迷を表す言葉。日本においては平成時代があたるとされる 8, ILLILL, 務も変化しなければ生き残れない。従業員には、その変化に堪えうるだけでなく、自ら変化をつくり出そうとする人材でいてほしい。会社の指示に従って学ぶだけではなく、自ら学び、成長し続ける人であってほしい。今後起こりうる変化に備えて、必要な知識やスキルを学ぶためにも、まずは自分のキャリアの在り方を考えてほしい」というニーズに基づくものです。「学び・学び直しガイドライン」のなかには、こういう記載があります。「労働者のキャリアの多様化も進んでくる。能力・スキルを身に付けるために必要な学び・学び直しの内容も個々に異なるものとなりうることから、労働者の学び・学び直しにおいては、自律的・主体的な取組が益々重要となる。」(同・3頁)「キャリアの棚卸しを行い、自社における自身のあるべき姿・ありたい姿をイメージして今までのキャリアを振り返り、経験から得たことや活かせる能力・強みなどを整理し、それを踏まえて労働者自身が今後どのようなキャリアを歩みたいか、そのためにどのような方向で何を学ぶべきかを考えることが必要である。」(同・学ぶこと、学び直すことと自身のキャリア形成はセットで重要だというわけです。特に、ミドルやシニアの場合、これまでの職業経験が長いことから、「これまでのキャリアをどう活かすかという観点がより重要になってくるため、キャリアの棚卸しの効果が一層期待できる。」(同・10〜11頁)とも述べられており、こういうキャリア研修の必要性も高まっているのだろうということがわかります。さて、この20代から60代までのキャリア研修で出会った方たちについて、感じたことを率直にお伝えしたいと思います。20ー30代は、学生時代から「キャリア」について学んできていますし、失われた30年※4のなかで成長してきたこともあって、「会社依存」の気持ちはほとんど見受けられません。転職の意思の有無は個々に異なるでしょうが、ただ、「いつまでも同じ会社にいられるとも、自分の力が通用するとも思えない。そもそも50年以上も働くことになる現代において、どのように能力開発をすればよいのだろうか」と常に模索しているという印象でした。一方、40ー50代以上のミドル・シニア層になってくると、少し会話の内容が変化してきます。「会社の仕事は少しずつ変化しているという実感はある。だから、『いまの自分の持つ能力だけで今後も大丈夫か?』といえば、それは不安だ。5年後、10年後までいまのままでよいわけはないだろう、ということは何となくわかる。しかし、何をすればよいかわからない」こう話すミドル・シニア層が、それでは、これまでまったく学ばなかったのか?といえばそCANうではありません。それは、彼らの発言からもよくわかります。「これまで、会社がやるといった業務、仕事に合わせて、勉強してきた。会社の指示に合わせて、担当する業務に沿って懸命に勉強してきた。それで評価もされてきた。今後はそうならないかもしれないといわれれば、たしかにそうだろう。会社だってどういう方向に進むか、これを学べばよい、と明示できないことも想像はできる。しかし、では、いま、何を学べばよいかを考えると、皆目見当がつかない」てきたが、それが他社でも通用するかと問われればそうではない可能性がある。でも、他社でも通用するような、あるいは、これから起こるであろう変化に堪えうるために、「何をどう学ぶか、どこから着手すればよいかわからない」と途方に暮れる人が多いのです。明確にする必要が出てくるのです。何をどう学ぶか以前に、「自分はどうありたいのか、何がしたいのか」(W得意なのか」(か」(MUST)といった、キャリアでいう「Wつまり、「会社の業務」に特化した学びはしだからこそ、一人ひとりが自分のキャリアを)、「いま、何ができるのか、CAN)、「何が期待されているの,, ,, 10頁)CCAANNMMUUSSTT」」のの明明確確化化「「WWIILLLLミミドドルル・・シシニニアアがが苦苦手手なな

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