エルダー2022年12月号
11/68

い9ILILLILLILLILLミドル・シニア層はこれが苦手です。L(ありたい姿、やりたいこと)は何ですか?」と問うと、何分も黙り込んでしまう人、口にしたものが、「自分のWなく、「会社のW自身のW大勢います。「学び・学び直しガイドライン」にも、このような記載があります。「労働者本人のやりたいこと・ありたい姿)、できること・得意なこと(CAN)、やるべきこと・周囲からの期待(MUST)の三者が重なり合う状態が、理想的な状態とされる。この3点がどのような状態にあるのか、そのバランス等を確認・改善するために、キャリアの棚卸しを行うことが望ましい。」(「学び・学び直しガイドライン」 10頁)今後、変化の波に乗れるような人材であろうとしたとき、自分が何を学ぶか、何を学び直さなければならないかを考える以前に、「そもそも、自分はどういうキャリアを歩んでいきたいのか」、を考え、言語化することが必要です。ミドルやシニアになると、なんとなく、「このままで逃げ切ろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、いま、45歳だとすれば70歳まで四半世紀、55歳だとしても15年はあります。いまの能力のまま、最後まで走り切ることがむずかしいことは、コロナ禍以降の2年だけでも「W(W」である人など、「自分」が明確に言語化できない人も実感したはずです。2020年にオンライン会議が導入され、各社で広まったなかで、2022年になっても、」では「画面共有はどうやるの?」と聴いているシニアがいたら、周囲は助けてはくれるでしょうけれど、「いい加減に学んで覚えようよ」と、思うはずです。いつまでも覚えないというのは、年齢による記憶力の問題があるとしても、真剣に覚えようとしていないという態度の表れにも感じられます。若い方たちも仕事を持っているのですから、覚えればすむようなことを聞いて何度も時間を取らせるのは酷というものです。これからもさまざまな変化が職場には起こります。そこから逃げていてもどうにもなりません。新しいことを学び、時間はかかってもそれに慣れ親しみ、その新しい知識やスキルを使って変化していく仕事に余裕をもって対応できるようになれば、自分だって楽しいはずです。経営者や人事など組織を運営する立場の方にもできることはたくさんあります。「隗かより始めよ※5」です。経営者自身が新しいことを学び、あるいは、学び直しをしている姿勢を示す。そのことを社員にも伝える。社内報などで、経営者が学んだ・ どのようなコースが自分の目指すキャリアにことを語っている姿を配信するだけでもインパクトがあります。成担当に、積極的にキャリアコンサルタントの資格を取得させ、キャリア開発支援室のような場を立ち上げることも大事です。キャリアコンサルタントがいるとわかれば、社員はいつでも気軽に自分のキャリアについて話し、考えを整理することもできるようになります。経営者は、個々がキャリアを自分で考えることの大切さ、個々が考えたキャリアと会社が目ざす方向性をすり合わせていくことの重要性を理解して、時間的、経済的な支援をすることも求められます。和4年版労働経済の分析」(労働経済白書)では、「労働者が自己啓発を行う上で感じている課題(正社員)」に以下があげられています(図表1)。・仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない・家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない・費用がかかりすぎる・自分の目指すべきキャリアがわからないくれるキャリアコンサルタントがいることでカ社員のキャリア支援強化のため人事や人材育キャリアを考える際の伴走者として社内に2022年9月に発表された厚生労働省「令適切なのかわからないこれらは、社内で気軽に対話の相手になって※5 隗より始めよ……「何かを始めるには、自ら率先してやらなければならない」の意社社員員ののキキャャリリアアとと会会社社のの方方向向性性ののすすりり合合わわせせをを

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る