エルダー2022年12月号
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・社員の学び直しは、「会社の利益につながる・しかしながら、社員の自発的な学び直しの多・学び直しをはじめ、ミドル・シニア層の・企業の支援による学び直しによって、他社への気にならなければ何も始まりません。そもそも、会社に長年ぶら下がってきた社員が、意識を変え、多大な努力をしていくことは、そう簡単なことではありません。企業も支援しつつ、社員自らが「定年後のキャリア」あるいは「転職」といったことまで視野に入れ、社員が「意識的に」キャリア形成に向けて取り組んでいく、そうした仕組みが重要なのです。②企業の意識改革学び直しについて、企業が考えなければならないことは、以下の通りです。もの」であり、少子高齢化時代の現在、貴重な「人的資本」であるミドル・シニア層の学び直しについても同様である。くは、企業がコストをかけ、具体的な取組みを提示する努力をしないと始まらない。「キャリア形成」を企業が親身になって支援することによって、ミドル・シニア層の会社へのエンゲージメントは向上し、職場の雰囲気も改善、若い人たちのエンゲージメントも向上する。の転職が増えたとしても、そういうよい会社であれば、逆に、他社から同じく優秀な人財を採用できることになる。■企業支援の考え方そもそも日本企業が社員の人財育成にかける費用が、ほかの先進国に比べて相対的に低いことが話題になっています。スキルアップをOJT中心に行ってきたため、いまとは違う業務、領域のスキルについて学ぶ機会が乏しく、そのことがイノベーションの後れの原因の一つにもなってきました。これからは、OJTや個々の社員の努力に依存しすぎず、学び直しを含めた研修などにもお金を振り向けていく必要があるでしょう。社員を「人的資本」ととらえ直し、人財育成をコストではなく、「投資」とみなすことです。また、そうした業務時間中の支援だけではなく、時間外の「自己啓発」とくくられる範囲においても、社員一人ひとりの「キャリア形成」への支援を企業が積極的に行っていく必要があるのです(図表)。■具体的なキャリア形成、学び直しの方法企業による支援が契機となって、社員がキャリア形成や学び直しに目覚め、具体的な企業の支援によって学び直しがさらに進んでいく、というプロセスについて、順を追ってより具体的に見ていきましょう。なお、筆者は、「学び直し」ということについては、一般的に認識されている「スキル」(技術、ノウハウなど)だけではなく、「コンピテンシー」(行動特性)も重要と考えています。例えば、「イニシアティブ」という行動特性は、その人の能力に大きな影響を与えるものであると同時に、学ぶことによって強化※筆者作成図表 キャリア・能力の向上において今後企業で強化すべき三つの項目13スキルアップキャリアカウンセリングの実施コンピテンシー向上企企業業支支援援ここそそがが学学びび直直しし進進展展ののポポイインントト

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