エルダー2022年12月号
22/68

の受託・出向者派遣、②グループ外企業とのジョブマッチング支援、③キャリアコンサルティング・リカレント教育支援――の三つだ。SPS設立は、個人の働き方や価値観が多様化し、キャリアに対する考え方も大きく変化している現状をふまえ、双日本社ではなかなか実現できない、より自由度の高い働き方を、別会社をつくることで実現しようという試みだ。多様な働き方を通じて、自律的なキャリア構築を支援するためのプラットフォームの役割をになっている。より自由度が高く、自律的な働き方によって、社員の満足度を高めるとともに、自律的なキャリア意識を持った社員を育み、組織の成長や企業価値の向上に結びつけたい考えだ。SPSの社員は双日本社からの転籍となるが、双日本社での勤務を継続しつつ、他社、他分野での副業などによるキャリアの幅出しとともに、学び直しを会社が支援することで、新領域にチャレンジする起業家精神を育てたいとしている。多様な働き方ができることで、変化していく個々人のキャリアに沿った、例えば介護や起業したいといったニーズにも応えられる仕事環境が提供できる。SPSではメインの仕事として、転籍前に双日本社で所属していた部署の業務を出向という形で週3日程度続ける(図表)。週20時間以上の勤務を確保することで、社会保険適用を維持することを考えた設計となっている。働き方でいうと、3日間フルで出社して働くケースもあれば、フルリモートでの勤務も可能。多様な働き方に対応しているのが特徴で、3日間相当の勤務を5日間で行い、その分、一日の勤務時間を調整するという働き方も可能だ。週の残りの日を、双日のグループ企業や地方の中小企業などでの副業や、学び直し、起業や家業、家族の介護などにも、自由に使うことができる。ちかってきたスキル・経験を広く社会に還元することもできる。社名にもなっている「シェア」は、つちかってきたスキルを社会と「分かち合う(シェア)」という発想からきている。切り出し、転籍前の役割・スキルに基づいた業務内容を明確にするジョブ型の働き方となる。仕事のベースとして、もともと所属していた部署に出向し、そこでジョブディスクリプション※を作成する。どのような仕事をするかを明確にして、SPSでも内容をチェックし、本人と働く部署との間でもしっかり確認・同意を取っている。げ式で、かつ所属部署が同意した社員というのが大前提となる。対象者は35〜55歳の双日の総合職としている。リア構築への意欲があることを要件としています。勤務日設定の自由度が高いということは、副業を行う場合は、外部からの仕事を請け負うことになり、成果も出していかなければなりません。学び直しなどを含め、SPSとしてもサポートを行いますが、自分の将来のキャリアまた、双日本社以外で働くことで、双日でつ働き方については、出向日数に応じて業務をSPSへの転籍は、本人の希望による手あSPSへの転籍にあたっては、「自律的なキャ※ ジョブディスクリプション……職務記述書。社員の職務を明確にするため、職務内容を記述した文書のこと※資料提供:双日プロフェッショナルシェア株式会社図表 双日社員とSPS社員との主な相違点2022.1220項目業務内容・社内所属組織の業務・社内所属組織の業務・ フルタイム勤務、・ フルタイム勤務、・ 副業・兼業原則禁止、・ 副業・兼業原則禁止、フレックス就業フレックス就業出社中心出社中心勤務体系定年/再雇用・ 60歳・ 60歳(再雇用で65歳まで(再雇用で65歳まで延長あり)延長あり)報酬・ 人事制度に基づく給与・・ 人事制度に基づく給与・賞与賞与・ 教育訓練給付における支・ 教育訓練給付における支給対象の資格は、取得費給対象の資格は、取得費用の20%を補助(最大用の20%を補助(最大10万円)10万円)リカレント教育支援双日双日プロフェッショナルシェア(SPS)・主要業務:所属部署からの提供ジョブ・ その他業務:社内外での受託業務(個人受託も可)・ 週3日相当の勤務をベースに個別設定、フレックス就業・副業・兼業可能、フルリモート勤務可能・70歳・ 個人の能力と業務内容に応じて個別に設定① 会社が取得を認める資格:取得費用の80%補助(最大100万円)② 上記以外の個人で選択する資格:取得費用の50%補助(最大20万円)働働くく本本人人ががキキャャリリアアププラランンをを明明確確にに描描けけてていいるるここととがが重重要要にに

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る