エルダー2022年12月号
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プランを自らが描ける人でないと、SPSで働くのはむずかしいと考えています。また、きちんとジョブ型雇用のメリットとデメリットを理解していることも必要です。双日での勤務を通じて、外部企業に対し貢献できる能力、経験、スキルがつちかわれていることが前提であり、心身の健康面において、業務遂行に問題がないことも大切です」(丸山取締役)実際の転籍実績は、スタートの昨年度と今年度の2年間で7人という実績だが、立ち上げ時の目標として20人程度を想定している。「スタートしたばかりの制度なので、『様子見』というところでしょうか。まだ、SPSという会社を認知してもらえていないところもあると思います。興味があって、手をあげたいと考えている人でも、家族の反対で決断しかねている社員もいるかもしれません。やはり、双日本社から離れるのには、抵抗がある社員もいるでしょう」(丸山取締役)と分析している。ベースとなる双日本社への出向以外の仕事が、きちんと確保できているのかも気になるところだ。「SPSに転籍した社員のなかには、起業して、自分の会社を立ち上げている社員もいます。双日時代の人脈を通じて、地方の企業で、社長補佐として経営コンサルタントを行っている社員や、中小企業診断士の資格を活用して、地方企業の人事制度づくりや助成金申請を含めた経営補佐をしている社員もいます。また、人事での経験を活かして、大学の非常勤講師としてキャリアに関する講座を請け負っている社員もいます。商社の日ごろの仕事のなかで、おつきあいのある企業から、いろいろな話が集まりますので、外部からの仕事のニーズはあると考えています」(丸山取締役)一方、双日本社での仕事とのかかわり方はどうなるのだろうか。「3年間は双日での仕事を保証しています。3年という区切りで、その後も双日の仕事を続けていくかどうか、出向先と本人が面談をして決めるイメージです。3年経たずとも、例えば自分が立ち上げた事業や副業が忙しくなり出向先の仕事のボリュームを調整する社員も出てくると思います。また当然ながら、出向先においても求められる成果を出す必要があります」(丸山取締役)リカレント教育支援が手厚いのもSPSの特徴で、会社が取得を認める資格であれば最大100万円、それ以外の個人で選択する資格に関しても最大20万円の補助を行っている。補助については、申請内容を見て、その資格を使って今後どのように自身のキャリアに役立てていくのか、申請の内容を確認してから補助の可否を判断しているという。はどのようなものなのだろうか。まったく違う仕事にジョブチェンジするようなことが想定されているのかたずねたところ、「やはり、いままでつちかってきたスキルをコアとする考え方が基本です。これまで自分がやってきた業務のスキルをベースに、さらに専門的な知識を身につけるために、本制度を利用する社員が多い」(丸山取締役)としている。時間とタイミングが重要だと考えているために、転籍対象の上限年齢を55歳に設定している。これは、「60代になってから考えるのではなく、がよいと思います。そこでその前のタイミングの55歳を目途に、自身の60歳以降の働き方をどうするのかを考えるタイミングとしています」(丸山取締役)進めるポイントについては、「これまでは、どの企業でも基本はメンバーシップ型で、社員は会社から与えられた業務に対し成果を出すことで会社に貢献し、それに対して評価され、給料をもらっていると考えてきました。それがあたり前だと思っていた人たちに、いきなり『自律的キャリアを考えなさい』というのは、なかなかむずかしい。だから、自律的キャリア形成やそれでは、SPSが考えるリカレント教育とただ、SPSに移籍するには、それなりの自律的キャリア形成やそのための学び直しを特集いまだからこそ「学び直す」21エルダー50代のうちからさまざまな選択肢を考えるほうキキャャリリアア自自律律ををううななががすすここととはは企企業業・・個個人人双双方方ににメメリリッットトががああるる

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