エルダー2022年12月号
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■■とオンラインの両立で開講していたが、現在は新型コロナウイルス感染予防の観点から全面的にオンライン講座に切り替えている。開講日は土曜日だ。受講生は1期あたり10〜20人。男女比は7:3で、平均年齢は49・8歳、年齢分布は33〜65歳と幅広いが、40〜50代がボリュームゾーンとなっている。受講生が所属する企業は、メーカー、商社、金融、物流、外資系などさまざまな分野にわたり、会社での役割は人事担当者がやや多く、総務マネージャーやグループ統括といった管理職層もいる。そのほかに、海外の赴任先から受講している人もいる。修了要件は、必修科目69時間、選択科目54時間の合計123時間以上の修得である。多摩大学大学院の単科を1講座受講できるコースを毎期5人ほどが受講し、大学キャンパスでの学びをモチベーションアップにつなげている。ライフシフト大学で学び直しをすることになった動機について受講生にアンケートを取ると、30代は「生涯にわたり豊かな生活を送るため」、「営業職における自分の弱い部分であるマーケティングについて学びたい」、「リーダーシップを学びたい」と実学的・実践的な学びを求める人がいる一方、40代は「終身雇用モデルを漠然と期待して働いてきたが、ここにきて学び直す機会を得ようと思った」、「将来に漠然とした不安を感じている。具体的な人生設計を立てるための術を得たい」と将来の不安を理由にあげる人が目立つ。にしたい」、「残りの50年で何をしよう、何ができるか、何がしたいのか。準備をしたい」と人生の棚卸しをして今後について考えたい人、「新たな機会、気づき、価値観を得たい」と視座(視点より空間的に高いところから見る)・視野を広げたいという人も少なくない。あるいは「会社に尽くしてきたが、自分自身のキャリアは二の次になっていた」と仕事人生を顧■みたことがきっかけとなって学び直しを決めた人もいる。60代からは「新たな知識と経験を積み重ねたい」、「若い人たちに刺激を受けたい」という声があるそうだ。入学後5日間で受講する「基礎コース」では、自分の市場価値や強み、新しいステージへ移行するための原動力となる「変身資産」(後述)を洗い出すことにより、自分の進みたい道とのギャップを把握したうえで、長期のライフシフトビジョンを策定し、大まかな方向づけを行う。「基礎コース」を終えると、「専門コース」での科目群の学びが待っている。「専門コース」は、大きく三つの専門分野からなっている。「知の再武装分野」……いま勤めている組織で長く活躍する「社内活躍」、「社内成長」を想定した科目群で構成している。マーケティングやコーチングなどを学ぶ。「市場価値向上分野」……定年を待たずに社外への転身などに挑戦し、80歳現役を目ざして活躍するための「社外活躍」を想定した科目群で構成している。問題解決、クリティカルシンキング(批判的思考)、コミュニケーション、対人関係などを学ぶ。「ライフデザイン分野」……人生100年を見すえた、仕事だけではない安心した人生設計を支援する科目群で構成している。ポジティブ心理学、マネープラン、マインドフルネスなどを学ぶ。時に受講する「教養コース」では、オンライン学習を主体に長期のキャリア形成のための足元を固めていく。「そもそも『ライフシフト』とは、リンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット氏が著した『LIFESHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)に由来します。同書では、三つの生産性資産が必要だと提唱しています。一つ目は生産性向上資産=スキル(生産性が上がる)、二つ目は活力資産=健康、気力、三つ目は変身資産です。ライフシフト大学では三つ目の変身資産を大きく取り上げています。三つの専門プロフェッショナルコースと同2022.122450代では「これからの人生を見つめ直す機会潜潜在在能能力力をを引引きき出出すす科科目目をを選選択択アアセセススメメンントトで「で「変変身身資資産産」」をを洗洗いい出出しし

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