エルダー2022年12月号
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陣を招いて発表される。これまで非常に内容がよい提言が出てきていることや、即日にその提言を実施したという企業もあることで、受講生たちは手応えを感じているという。このグループ演習の約1カ月半の間、ともに学ぶなかで、同期同士のつながりもできていくそうだ。卒業後は同期だけでなく、先輩や後輩との縦のつながりが構築できる「LSUアラムナイ」という同窓会に参加できる。会では自主的な読書会、勉強会を実施して学びと人間関係を継続。これは互いの顔がわかる少人数制をとっている同校のメリットだという。同校の卒業生からは、以下のような声が届いているという。「100歳人生・80歳現役を生きることが現実となってきたいま、同校で学んだという非日常(通常の生活範囲ではないこと)は、固定概念にとらわれていた私に、新しい人生をスタートさせるきっかけをくれました。最高の場所でした」(50代男性・金融機関)「所属する業界は大変革期に突入し、会社も私も大きな変化を迎えています。やや保守的な私でしたが『変化はチャンス』と、いまの環境を前向きにとらえられるようになり成長できていると実感しています。学び直し、学びを継続する喜びを得たことは、今後の人生における新たな楽しみというプレゼントになりました」(40代女性・外資系メーカー)2021年10月からは「企業内ライフシフト大学」をスタートした。社会人を対象にした個人向けプログラムでつちかったノウハウを、企業向けにアレンジして提供するリカレント教育プログラムである。個人向けでは5カ月間かけて学ぶ科目を3カ月間に凝縮して、社員のキャリア自律に向けた意識改革をうながす。社外に通用する社会人基礎力のアップスキリングはもちろん、業種や企業ごとに異なるニーズを吟味し、企業向けにカスタマイズする特別カリキュラムを提供する。企業は体系的で実践的なキャリア教育を実施することができ、リカレント教育として活用できる。企業向けにカスタマイズした特別カリキュラムのなかには、高齢者雇用に積極的な企業からの要請を受け、社内で引続き活躍してもらうための「高齢社員の活躍促進」をテーマに講義を行った例もある。講義の内容は、役職定年後から60歳、65歳の定年まで、あるいは再雇用の70歳まで高齢社員にモチベーションを維持してもらうために職場が取り組むべきこと、高齢社員に期待すること、高齢社員の職場での課題などをデータで示し、問題状況の解決策を示した。また、高齢社員の価値を見出すには、若年層と高齢社員がともに創造する環境づくりの整備が大事とし、青(若年層)と銀(高齢社員)が共存する「青銀共創」実現のために、高齢社員にいかに「いぶし銀」をつけてもらうかという講義も行っている。「当校では、高齢社員の活躍に関連するテーマをノウハウとして持っています。一人ひとりの『実践知』として何が必要か、突破力、場づくり力をどうつけるか、企業からの要請に応じたプログラムを提供しています」(藤田学長)層から参加できるようにしている会社もある一方、40〜50代のマネージャー研修として行う会社もあるそうだ。「『ライフシフト』といっても転職をすすめているわけではなく、自社に残って活躍していくためにも、あるいは社外に出て能力を発揮していくためにも、いまのままの力では足りないものがあることでしょう。同時に、自分自身に対する認識が大事であって、キャリアを変えていくにあたり、自分を見つめ直して、考えて、それを追求していく。あるいは追求するうえで必要な知識を学んでいくことが重要です」(藤田学長)いまの時代、受け身のまま定年に到達してしまうことにならないよう、40〜50代から学びの場を活用するなど積極的に自らを見つめ直して、学び直し、生涯現役で働く力を蓄えていきたいものだ。聴講の対象は企業の方針により、30代の若年2022.1226「「高高齢齢社社員員のの活活躍躍促促進進」」のの講講義義をを実実施施企企業業内内リリカカレレンントト教教育育ププロロググララムムをを開開始始

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